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「えっ、暁くん、」
「……」
「あっ……、待って、……あ、……んっ、」
キス、ってどこにキスつもりなの。そんな言葉が出そうになった。熱っぽい吐息に、いつもの彼と違うと悟る。
「うっ、……ん、……」
暁くんは僕の顎をくっと持ち上げると、首の根元に口付けて、ちゅう、と少し強めに吸い上げる。ぞくぞく、として、腰が砕けそうになって、僕はたまらずクローゼットに手を突いてしまう。
「……暁くん……だめ、そこ、痕、つけたら……見えちゃう……」
「……どこなら、つけてもいいですか? このあたり?」
「んっ……」
少しずつ場所をずらしながら、首筋を吸われた。クローゼットに突いた手にするりと暁くんの手が絡められ、「朝霧さん」と名前を呼ばれると、くらくらと目眩を覚える。少しずつ追い詰められていって、思考力が奪われてゆく。
「あっ……、あ、……、んっ、……ん、、……」
腰のあたりがじんじんと熱くなってきて、立っているのが辛くなってきて……これ以上責められたら腰が抜けそうで、たまらなくなって僕は
「……服で、隠れるところ、がいい……」
と懇願する。
しかし、その答えはたぶん間違っていて。
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