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暁くんの後に、シャワーを浴びた。色々と考えてしまって、結局いつもよりも入念に体を洗ってしまう。
緊張で胸の苦しさを覚えながら、浴室を出た。暁くんは今、何を考えて僕を待っているのだろう。
「あ、朝霧さん」
「暁くん……」
部屋に行くと、暁くんがベッドに横になっていた。先ほどの熱っぽい表情とは打って変わって穏やかな表情は浮かべていたが、少しだけその笑みは堅い。彼は今、何を想っているのだろう――息が詰まるような思いになる。
「朝霧さん、こっちきて」
暁くんは困ったように目を細めると、ぽんぽんとシーツを叩いた。その声は本当に優しかった。じわ、と胸の中に纏わりついた霜が溶けていくような感覚を覚えた。僕はもやもやとしていたものも忘れて、吸い込まれるようにして彼の隣に横になる。結局のところ、僕は彼の腕の中に入ると安心するのだ。そうして腕を広げられたら、そこへ飛び込みたくなってしまう。彼の鼓動を聞きたくなる。彼の熱を感じたくなる。
「朝霧さん、抱きしめていい?」
「……うん。抱きしめて」
僕が暁くんの腕に頭をのせると、彼はぎゅうっと僕を抱きしめてきた。ほんの少し、体が締め付けられるような圧迫感を覚えて、はあ、とため息をつきたくなるほどの多幸感が体の奥からあふれ出る。
「……ねえ、朝霧さん。朝霧さんは……さっきの、いやだった?」
「……。ううん、……いやじゃなかった」
「でも……」
「……嘘、じゃないよ。いやじゃなかった。僕は、……暁くんとなら……そういうこと、したいって思ってる。でも……なんでかな、……きみに触れるのが、怖いんだと思う。あのまま、もっと、されたいって思ったのに……あの先のことを考えると、声が出なかった」
「……そうなんだ。じゃあ、……逆に、俺に触られるのは? 怖い?」
「……触られるのは、大丈夫、だと思う。さっきも……体にキスされて、気持ちよかった。でも、……セックスって、触られるだけじゃ、だめでしょ……? だから……」
「セックス、怖い?」
「……うん。ごめん……」
暁くんは僕の頭を撫でながら、優しい声で僕に話しかけてきた。
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