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「ん……」  ゆるりと舌が口の中にはいってくる。僕もそっと舌を伸ばせば、暁くんが絡めてきた。僕も彼に合わせてゆっくりと舌を動かして、静かに熱を溶け合わせてゆく。くちゅ、くちゅ、と静かに音がして、その音が甘ったるくて、胸の中がじんじんと温かくなってゆく。蕩けるように、気持ちいい。 「ん、……朝霧さん……朝霧さんって、キス好き?」 「……好き、かも……」 「ですよね。だって、顔、とろとろ」 「……そう、?」 「うん、可愛い……」 「……ねえ、……もっとして」 「……、ほんと、可愛い……」 「ん……」  頭の中が真っ白になって、彼とのキスに夢中になる。彼の息遣いを感じるたびに、なぜか体の奥のほうがキュンとなって、指先が、足が、びくんとこわばる。シーツが擦れる音、感じる彼の体温、重なる熱――少しずつ、少しずつ、体が火照っていって、あまりにも気持ちよくて……涙があふれてきた。 「あ……」  唇が離れると、寂しくなって僕は反射的に瞼を開く。見上げた先の暁くんの表情は、熱で浮かされていて、視線だけで僕の心臓を焼き切るような目をしていて……ぞく、と下腹部が熱くなった。 「朝霧さん……」 「あっ……」  暁くんが僕の耳にキスをする。ちゅ、と音を立てられて、僕の体がひくっと震えた。 「可愛い」 「んっ……かわいくなんて、」 「可愛いですよ……ほら、」 「んんっ……だ、だめ……それ、……」  暁くんが僕の頭を大きな手のひらで撫でながら、耳の中にゆっくりと舌をいれてきた。わざと音を立てているのか、ぴちゃ、ぴちゃ、と音が響いて……おかしくなりそうになる。 「あっ……、あ、……ん、」  熱っぽい吐息をかけられて、リップ音をたてられて、時折耳たぶを吸われたり甘噛みされて、頭がぼーっとしてきた。恥ずかしい声が漏れてしまって、こんな声を聞かせたくないと思って口を手で塞いでみたが、暁くんがすぐにその手を掴んでシーツに縫い付けてしまう。

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