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「……」
ごく、と生唾が喉を通り落ちる音が脳裏に響く。
もっと彼に触れたい。触れたい、……触れたくてたまらない。
ゆっくりと彼のタンクトップをたくし上げていけば、彼の体が露わになっていって、視界がちかちかとし始めた。
これが、暁くんの体――……。
彼の体は、当たり前だが男の人の体だった。僕よりも少し逞しい体つきをしているだろうか。これからこの体に抱かれるのかと思うと体の奥の方が熱くなってきて、下半身がもじもじとしてくる。
怖い、はずなのに。もっと、彼が欲しい。
息が上がってきて、おかしくなりそうだ。どうしたらいいのかわからなくて、彼の胸元に頬ずりをすれば、彼への愛おしさで泣きそうになる。じり、と頭の中で彼の体を愛でることへの恐怖がよぎったが、それでも僕はこの体が欲しくてたまらない。暁くんのことが好きで、好きで、どうしようもない。
「朝霧さん……」
「あっ」
暁くんがぐっと僕を抱きしめてくる。そして、するりと服の中に手を挿入してきた。シャツの中に入り込んだ手は、大きく僕の背中をなで上げて。そしてズボンに、そのまま下着の中に入り込んだ手は、僕のお尻の肉をぐぐっと掴み上げてくる。
「あっ……あ、……ぁんっ……」
「服を着てる時よりも、朝霧さんのことを感じられます」
服の中を、暁くんの手が這いずり回る。ゾクッ、ゾクッ、と甘い痺れに下から突き上げられるような感覚に、自然と腰が浮き上がって、体が揺れる。彼がお尻の割れ目に中指を挟めるようにして僕のお尻を片手で掴むと、そのまま僕の体をゆさゆさと揺さぶってきて、僕はされるがままに彼の腕の中で甘い声をあげていた。これが肌に溶け合わせることの幸せと快楽なのかと思うと、もっと彼にめちゃくちゃにされたくなる。
「朝霧さん……もっと、朝霧さんを知りたい」
「あっ……暁、くん……」
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