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 視線が交差して、僕は導かれるようにして暁くんのタンクトップをすぽんと脱がせた。はやく、彼と一つになりたい――その想いが僕を突き動かした。 「……っ」  しかし、彼の裸を見た瞬間――どくん、と大きく心臓が脈打つ。  ――これから、この体を愛するんだ。  きれいな、体だった。首筋から肩にかけてほどよく筋肉がついていて、鎖骨の線がすっとしていて色っぽい。きれいだ。かっこいいと思う。下腹部がキュンと疼いてしまう。  僕は、彼の体に欲情した。  けれど、その興奮と同時に湧き上がってきたのは、ずっと恐れていたものだ。高揚すると同時に、ぞわ、といやなものも膨れ上がってきてしまった。愛した者を、壊してしまったあの恐怖。  はあー、はあー、と息があがってくる。様々な感情に、火がついている。ずっとずっと抱え続けていた恐怖が――どんどん膨張してゆく。彼の体に心が濡れるほどに、その恐怖は色濃くなっていく。  愛する事への恐怖。それは再び波紋となって広がってゆく。  手が止まる。やっぱり、怖い。頭に刻まれたたくさんの赤いものが鮮明に蘇ってくる。 「――朝霧さん」 「あっ――……、」  固まってしまった僕の服を、暁くんは一気に脱がせた。びく、と震えた僕をそのまま抱き込んで、一緒にベッドの上に倒れ込む。暁くんに押しつぶされるように、背中からシーツへ落ちていった僕は逃げることもできなかった。ぴったりと、全身の肌を触れ合わせて、身動きすらもとれなかった。

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