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「あ、かつき、くん……」  彼の体の熱さ。彼の体の逞しさ。彼の体の鼓動。蕩けて体に染み込んでくる、彼の命。  そっと彼の背中に腕を回してその体を抱きしめると、少しずつ、少しずつ、溶けて混じって、一つになってゆく。  僕が彼に抱かれたいのは本心で、でも彼を抱きしめることが怖いのも本心で。ぐちゃぐちゃになって、わけがわからなくなって、どうにもできなくなって。どこに手を伸ばせばいいのかもわからずに、けれどすぐそばにいてくれる彼に縋り付くことしかできず、雁字搦めになった心を吐露するように、ただ、ただ、僕は彼の名を呼ぶ。   「朝霧さん……泣いてるの? 大丈夫だよ、朝霧さん」 「あっ……」  暁くんが僕の体の下に差し込んだ腕にぐぐっと力を入れて、僕と彼の体を密着させる。こわい、咄嗟にそう思ったが、同時に下腹部がきゅんきゅんと疼いて、もっと、と彼を欲しがる気持ちも湧き上がってくる。 「こ、わい……暁くん……こわい、……わからなく、なっちゃう……」 「わからなくなったら、俺の名前を呼んでいれば大丈夫だよ、朝霧さん」 「あっ……、ん……」  耳元で、「朝霧さん」と囁かれる。ぞくぞくっとして、僕は彼の腕の中で身じろいだ。  そのまま、耳に舌を挿れられる。時折名前を囁かれながら、耳の穴に舌を挿れたりだしたりを繰り返された。ぬる、と舌が奥の方にはいってくるたびに腰がひくんっと跳ねて、まるでセックスしているようで頭がぼーっとしてくる。 「あっ……ぁん……あ、……あ……」 「可愛い声。朝霧さん」 「ん、……ぁあうっ……」 「気持ちいいね、朝霧さん。ね?」 「きもち、いい……あかつきくん、……ん、……ぁんっ……きもちいい……」

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