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「……あかつき、く――……あっ、あぁっ……」
しっとりと温かい手のひら。ぎゅ、ぎゅ、と強く手を握られると、この行為が彼との愛を重ねる行為なのだと改めて実感した。少し汗ばんだその手のひらが生々しくて、きゅうっと切ない気持ちになる。けれど、こうして手を握られると、まるで彼に「大丈夫だ」と言ってもらっているような心地になって、心の奥でざわめいていたものが少しずつ凪いでゆく。
僕は、彼とセックスをしている。彼を傷つけるわけでもなく、壊してしまうわけでもなく、お互いの肉体と心を求めあう……セックスを、彼としているのだ。
「あぁっ……あぁ、あ……は、ぁ……ん……」
手を握られた瞬間、じわじわと心が彼と蕩け合い、そこから蜜がしたたり落ちてくるような……そんな感覚に陥った。全身がしっとりと汗ばみ、指先までが敏感になってゆく。そのまま乳首を責められて、僕は自分でも信じられないくらいに乱れてしまった。
「ぁんっ……あっ、あぁっ……あぁんっ……」
「朝霧さん、可愛いですよ」
「あぁっ……あかつきくん……、もっと、……もっと、して……!」
膨れ上がった乳首を、彼が責めたてる。舌で大きくこねくり回されたり、かと思ったら舌先でさきっぽをぐりぐりとされたり、根本から吸われたり……責めるたびに僕が甲高い声をあげてしまうので、彼も少し大げさなくらいにいやらしく責めてきた。僕よりも年下の彼が、こんなにもいやらしく僕を責めてきて、それに僕が感じてしまう――この事実だけで、おかしくなってしまいそうだ。
「あっ、あっ、あぁっ――あっ……、ぁんっ……!」
どんどん追い詰められていって、僕はとうとう達してしまった。彼の手をぎゅっと握り締めたまま、責められるがままに昇りつめ、頭が真っ白になって全身の力がふっと抜ける。
小さく、体がひくひくと震える。暁くんは僕がイッてしまったのだとわかったようで、ふっと笑って僕を抱きしめてきた。ようやく彼の背中に腕が回せそうだったので、僕もとっさに抱きしめかえす。
「朝霧さん……俺とのエッチ、気持ちいい?」
「……うん……きもちいい……」
「よかった……このまま、もっと気持ちよくしていきますからね。朝霧さん……いっぱい、声、出してくださいね」
「うん……わかった……」
暁くんは重ねた体をずりずりとこすり合わせるようにして、僕の体を揺さぶってくる。そんなことをされながら耳元でささやかれると、あっという間にいやらしい気分が戻ってきて、頭がぼんやりとしてくる。
ああ、暁くんの体を……もっと、触りたい。この体に、抱かれたい。もっと、僕しか知らない彼のすみずみまで、知りたい。
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