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第5話 会いたかった

 翌日、両親は九時まで帰らない。  そして姉貴は謎の気を利かせた。それってのも、昨日の俺のイキ声聞かれてた。そして今日、和樹が来ることを知るとこんな台詞を残して出て言った。 「そういう事なら私出かけるから、二人で好きなだけイチャラブしていいのよ。おーほほほほほっ」  その笑い方はどうかと思うよ、女として。そしてその気遣い……今日ばかりは嬉しいっす。  俺は洗濯したり、部屋片付けたり、色んな準備を整えて待っている。  もうドキドキだよ。心臓出そうだよ。早く和樹がきてくれないと発情するよ俺。  五時半くらいに和樹は来た。日焼けして、よりイケメンっぽくなってる。日焼けの似合う男って、いいな。俺だと間違いなく小学生の夏休みだもんな。 「あ…えっと…」  なんて言えばいいんだっけ。「お帰り?」が正解かな。それとも「会いたかった…」は、狙いすぎ。畜生、俺の語彙力死んでる。元々ないけど。  和樹もちょっと困った感じで笑ってる。こんな顔させたいわけじゃないんだけど。 「まずは、夜飯どうしようか」 「あっ、そっか。食べに行く? それとも、コンビニとか?」 「コンビニ…かな。外で食べたら帰るの遅くなりそうだし、今は二人の時間を取りたい」  うっ、それは早く食べて俺をお召し上がりになりたいと取ってもいいのでしょうか。それとも自意識過剰? 「じゃ、コンビニな」  コンビニならこっから十分かかんない。俺は家を出て和樹と一緒にコンビニに向かった。  コンビニ弁当は最近美味くなったよな。種類も多いし。俺は弁当一つ食べて、デザートまで食べて満足。和樹も同じくだ。  部屋の中、食べ終わったゴミを袋につっこんで、それとなく側に行って、自然な感じでキスをした。和樹の生キス、生舌に蕩ける。これだけで俺、腰砕ける。 「欲しくてたまらなかったって顔してるね、亮二」 「んぅ」 「昨日は、どこでオナニーしてたの? 俺の声聞いて」 「それは!」  今まさにの場所です。床に座ってベッドに背中預けて変態オナニーしてました。貴方の声だけでパンパンに前膨らませて盛大に汚しましたとも。 「ごめん、待たせたよね」 「あぁ、うん。平気だし」  俺の強がりはバレてるよね。全然平気な顔してないし、平気な奴はこんなにしないだろうし。  唇が首筋に触れる。吸われて、掠れた声が出る。鼻先に和樹の匂いがして……匂いが…。 「あの…和樹さん?」 「なに?」 「シャワー、浴びてもいいですか?」  俺ってば掃除とかもしてたから汗かいてる。多分今、汗臭い。  でも、和樹は離してくれない。それどころか俺の首筋に鼻を押し当てている。 「いやいや、汗臭いって!」 「どうして? 俺、亮二の匂い好きだけど」 「好きって……」  え、いやだお兄さんそういう趣味? 君の匂いに欲情するよ的な感じ? 「あの、でもお風呂…」 「…じゃあ、一緒に入ろうか」 「はいぃ!?」  一緒ときた! 一緒! お風呂一緒でこの状況って、間違いなくじゃないのぉ。  でも、ド変態な俺はそれに反応した。普段家族も使ってる風呂場で、俺は和樹に…。  あぁ、今度から風呂場まで俺のオナスポットになるのか……望むところです。  恐る恐る頷いたら、和樹はすっごくいい笑顔で笑った。

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