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第2話
ホテルの部屋に入るとまず、風呂に入った。
この時間になると毎回、自分が嫌いになる。こんな風でしか金を稼げない自分を、殺してやりたいとすら思う。
さっさと体を洗って、中も綺麗にして、風呂から出ると菊池が椅子に座って煙草を吸っていた。それがすごく羨ましい。
晴麗が産まれてからは、晴麗の健康と、生活費の為に中学の頃から吸っていた煙草を辞めなくちゃいけなかったから。
「菊池…」
「どうした」
「…煙草、やだ…」
「何で。お前吸ってただろ。」
そんな俺の気持ちを知らない菊池は、不思議そうに首を傾げたけれど、すぐに火を消して、立ち上がり俺を抱きしめた。
「辛そうな顔してる。育児に疲れたか?」
「……疲れた。」
素直に言葉が零れ落ちる。菊池に髪を撫でられて、顎を掴まれクイッと上を向かされた。
「俺なら、お前を養ってやれるのに」
甘い誘いに乗りたくなる。けれどそれを拒絶するかのように、強く目を閉じた。
菊池って、もしかして俺のこと好きなのかな。わざわざ養ってやれるなんて言うくらいだもんな。世の中には色んな物好きが居るものだ。
「…始めるか」
途端、菊池のそんな言葉が落ちてきて、俺はベッドに寝かされる。
「1回、5万だったな。今日は弾んでやるよ」
「…っ、は、嬉しい…」
「相当疲れてるみたいだからな。ほら、口開けろ」
言われた通り、口を開けると激しくキスをされた。息をつく暇もない。けれどこの追い詰められる感覚は嫌いではない。
「は、ぁむ…ん…っ」
風呂から上がってわざわざ服を着たのに、それが無駄になる。雑に脱がされた服が床に落ちた。キスをして濡れた菊池の唇が、俺の首筋に吸い付いて、体にはぞくぞくとした快感が走り抜ける。
その唇がだんだんと降りていき、乳首を甘く噛まれた。ついつい胸を突き出すように背中を反らしてしまって、気を良くした菊池は、俺がドロドロに溶けてしまうまで、そうして全身を愛撫する。
「はぁ…ぅ、あ、菊池…もっと、触って…ぇ…」
「ここ、もうドロドロだな。」
「ひゃ、ぁん…っ!」
ペニスに触られるとすぐに達してしまいそうになって、先走りがピュクピュクと飛ぶ。それを見て菊池がクスクスと笑うから恥ずかしくて、顔に熱が集まった。
「後ろ、指入れるぞ」
「ん…っ」
俺の先走りで濡れた指が、後孔に入ってくる。その感覚にはまだ慣れない。目を閉じて耐えていると、瞼にキスをされて、そっと目を開けた。
「力入りすぎだ。」
「っ、ご、め…」
「大丈夫。痛くないから、ゆっくり息を吐け。」
言われた通りにすると、確かに痛くなくて、思っていたよりもすんなりとそれを受け入れた。
「ぁ、あうっ、う…っ!」
「気持ちいいか?」
「は…っき、きもちぃ…そこ、そこ…っ」
「ああ、ここだろ」
「あぁっ!」
中のコリっとしたところ。触られると今にも達してしまいそうだ。
「ぁ、あ、あー…っ!」
「ほら、もう3本入ったぞ」
「んぅ、はっ、はひ…っ、ぁ」
ジュポジュポ、指が中に出入りする音がする。
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