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第7話 2人の始まり

これからどうしよう。 妻に逃げられて、職無しの俺は流石に収入の無い今の生活じゃ晴麗は育てられないと判断した。 「…晴麗の、ご飯」 自分のご飯はどうでもいいから、晴麗にはちゃんとした食事を与えてやりたい。 もう少し大きくなったら保育園で友達を作ったり、小学校に通って勉強したり…夢は膨らむ。 「…働かないと」 けれど、資格も何も持っていない高卒の俺を雇ってくれる所なんて無いよな。そう悩んでいると、携帯にメールが届いた。それはたまに連絡を取り合ってる高校の頃の同級生、菊池からだった。 「…わぁ、飯行きたい」 内容は久しぶりに食事をしないかって事。すぐに"行く!"と返事をしようとしたけれど、携帯の向こうに寝ている晴麗が見えて、肩を落とした。 「先に職探ししねえとな…」 離婚して、それを母さんに報告したら凄く怒られた。でも、困った時は頼りなさいって言われたから、何とか就職先を探す間は、母さんに晴麗を見てもらおう。 菊池からの誘いはまた今度と断って、母さんに連絡をした。 明日職探しに行きたいから晴麗を見ていてって。母さんはすぐに了承の返事をくれて、一安心する。 「晴麗」 晴麗の横に寝転んで、ぷくぷくしている頬にキスをした。 ああ、可愛い。俺の息子、こんなに可愛い。 「晴麗の為なら、頑張れるな」 働くなんて死ぬほど嫌だけど、晴麗の為に頑張ろう。 「愛してるよ」 晴麗を幸せにしてあげたいから。

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