2 / 8
第2話
「よし、時雨。まずは、そいつの名前を教えろ」
「えっとな、光ってつけた。こいつここにつれてくる時、色んな手続きして俺の戸籍に入れたんだけど。その時につけた」
「光、か。時雨がつけたにしてはいい名前だな」
「マジで!ただ単に、こいつのデコがピカーッて光ってたからつけただけなんだよ」
バカでも、ちゃんと子供に名前をつけてやれるやつだと感心してたのにやっぱりバカだった。そして、色々と話を聞けばやっぱり光は時雨の友達の子供だった。
その友達は、結婚するために子供作っていざ産んだら育てるのが面倒になって時雨に押し付けたと。
そんなんだったら、子供作んな!って言いたいところだがそんなことはもうどうでもいい。あとは、俺が立派に育ててやる。光を産んだ親とか、時雨みたいなバカにはならないように。
「よし、光。ここには、お前が飲むようなミルクとかないから買いに行くか」
時雨から光を取り上げ、玄関に向かった。光は人見知りをしないようで、俺が抱いているのに笑っている。あー、本当に可愛い。自分と血は繋がっていないのは当たり前だけど、お前はもう俺の子供だ。
「待って、蒼汰!俺もついていく。夜だし、蒼汰を1人で外歩かせらんない。それに今日から光もいるし、夜に外は1人で出歩くなよ」
「分かったよ。じゃあ行こう、時雨」
「おう!」
時雨と一緒に家を出て、24時間営業の何でも売ってるスーパーに向かった。スーパーに行く途中、時雨と光がじゃれているのを見ていたら本当の親子になった感じがして、ちょっと嬉しかった。
そんなこんなで10分後、スーパーについた。さっきパパッと調べて、子育てに必要なものを片っ端から買っていく。からのクラブの本は、全く置いてなかったので、明日DUDAYAに行って買うことにした。
「よし、光。帰ったらミルク作ってやるからな」
「あう!」
「俺も、蒼汰のミルク飲みたい」
「ミルク飲んだら、一緒にねんねしような。な、光」
「そうたぁ。俺は?」
「子供の目の前で、そんな下品な言葉をいう人とは寝ない。な、光」
「だ!」
そう宣言したけど、結局3人で川の字になって眠った。
ともだちにシェアしよう!