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第6話
「ん、んぐっ……んんっ……ふっ……!?」
―――ごくんっ
その得たいのしれない黒いモノは――初めは僕の唇を塞いでいただけだったが、もぞもぞと意思を持って這いずったかと思うと――あろう事か、そのまま僕の口内へと侵入してきた。不思議な事に――不快感はそれほど抱かない。それは、おそらく――その黒いモノの周りに纏っている粘液が――まるで砂糖のように甘く、もっと口に入れていたいと感じさせてしまうからなのだろう。
と、その黒いモノを飲み込んでから少しした後で――唐突に今まで抱いた事すらない極上の快感が僕の体全体を支配する。そうなると、もう僕には理性など関係なく――それどころか今まで襲ってきてた強烈な目眩や頭痛すらどうでもよくなるくらいに体はビクビクと震えて頬は林檎のように真っ赤に染まり―――、
「……父しゃん……ぼく……父しゃんが――欲しい……」
「く、くそっ……私を離せ…………日向、日向――」
「だから、やだって言ってるよね?ほら、可愛いひなたも……こんなにも気持ちいいって言ってるし……俺と一緒に気持ちよくさせてくれるってよ―――だから、大人……しくっ……」
僕が得たいのしれない黒いモノを飲み込んで、とてつもない快感に支配され、あろう事か口にするのもおぞましいような言葉を呂律の回らない口調で呟きつつ、実の父に欲情しながらジリジリと迫るために畳の上這いずりながら移動していた時の事だ。
―――ガラッ!!
唐突に――物凄い勢いで父の部屋の襖が外側から何者かによって開かれるのだった。
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