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第7話

「……っ……お、叔父さん?日和叔父さんが――二人……?」 そこには――今まで僕と父さんに好き勝手していたはずの日和叔父さんが、もう一人立っていた。脇には赤い着物を着て、腰まである長い黒髪の女の子も側にいる。 「ちっ……少し遅かったか――シャオリン……時間稼ぎは出来るか?あの本から沸いて出てくる言霊虫が邪魔だ―――兄さんめ、よりによって私の著書である【重魂者】を読んでいたな……だから、怪異なるドッペルゲンガーが――ここを呪場に出来たんだ」 【えー……シャオはあんな気持ち悪いの相手にしたくないよ……やだやだ、旦那さま……旦那さまの呪殺具で何とかしてください~】 と、訳も分からずに訪問者を呆然と見つめる事しか出来ない僕と父。 しかし、父の体を無理やり組敷いていた方の日和叔父さんの態度が――その二人が入ってきた途端に変わる。 「くそっ……ヤドリギが来ちまったか――しかも、逝き人形まで……だが、まだ俺が――のしあがる方法はある―――」 ―――ぱちんっ と、若干慌てふためいている父の体の上に乗っかっていた叔父さんは、もうどうでもいいといわんばかりに父から離れ――その代わりに指を鳴らす。 すると、机の上に置かれて開きっぱなしになっていた父が読んでいた本の中から――文字全体が意思を持ったかのように、どわっと沸き上がると――そのまま、後から入ってきた叔父や着物を着た女の子――そして、ぐったりと横たわる僕と父に向かってぐにゃぐにゃと気持ち悪い動きをしながら襲いかかってくるのだった。

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