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第11話

それから日和叔父さんは――簡潔にだが、今まで起こった異常事態の原因を説明してくれた。 それによると――――、 【怪異なるモノ】とは叔父さんが今までに書いた小説の中から出てきたモノ(幽霊等といった現実には存在しない筈のものや――超常現象など)で――、 【ヤドリギ】とは怪異なるモノ(カサネのような)に狙われて憑依されている人間の事らしい。つまり、寄生虫に寄生されてしまう宿主のようなものだ。 それで、怪異なるモノを甘美してしまう程に強烈な【ヤドリギ】の素質を持っている僕が――【怪異なるモノ】に襲われようとしているらしい。それは、カサネ曰く――僕に好意的なモノもいれば悪意を持つモノもいるらしい。 「だが――何故、急に……これまで怪異なるモノとやらの馬鹿げた存在が――日向に襲いかかるなど――無かったのに」 父さんのどことなく焦っているような声が部屋に響く。もしかして、僕の事を――心配してくれているのだろうか?今まで、そんな事なかったのに。 「……日向、俺がくれてやったウサギのぬいぐるみは……どこにいった?」 「……え、ウサギのぬいぐるみなら――僕の部屋に……あると思うけど?」 と、僕が言い終える前に日和叔父さんはすくっと立ち上がり――ぐいっと僕の手を引くとそのまま、呆然と此方に目を向ける父さんやカサネ――それにシャオリンの事などお構い無しに木の床板が軋む廊下を歩いて行き――僕の部屋へと向かっていくのだった。

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