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第14話
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
――ああ、まさかこんな状況になるなんて。
この風呂場の中に、日和叔父さん(カサネとシ
ャオリンもいるけど)と一緒に入るなんて。因みに、父さんは頑なに僕らと風呂になんか一緒に入らないと言いきって、そのまま自室へ戻ってしまった。
考えただけで――ぞくぞく、する。
幼い頃でさえ、満足に見た事もなかった日和叔父さんの裸が見れるなんて天にものぼってしまうような気分だ。思わず、僕の下半身が勃起しちゃったら――どうしよう、と僕がアホな事を悶々と悩んでいた時―――、
「おい、日向―――早く入るぞ」
「は、はいっ……!!」
あまりに緊張し過ぎて、つい裏声が出てしまった。しかも、一見すると単なる叔父と甥の関係だというのに――敬語で答えてしまった。これじゃあ、あまりにも不自然過ぎる―――。もしかしたら、僕の叔父さんに対して抱いている特別な――そして背徳的でもある感情がバレてしまったかと内心でドキドキしてしまったのだが叔父さんは気にせず服を脱ぎ出してしまう。
(ああ―――叔父さんの体、作家なのに……スポーツ選手顔負けな程に……逞しい……さ、触ってみたい……)
【おい……ひなたちゃん、ヤドリギの日和に見とれてる場合か―――とっとと入るぞ……シャオ……てめえもだ】
【ち、ちょっと……痛くしないでくださいよ……カサネさん!!】
―――ぐいっ
背後を向いてる叔父さんが服を脱いでる姿をジッと見つめながら、僕も服を脱いでいたのだが――妙に察しのいいカサネがその様子に気付いたのか、服を脱ぎ終わった僕とシャオリンの手を掴んで半ば強引に風呂場へと連れてきた。
【ふふっ……きゃははっ……】
「し、笑子……ちゃん?そんな……何で、ここに!?」
浴室に入った途端に――真っ先に目に飛び込んできた全身鏡には、大きな黒い穴があいた笑子ちゃんの不気味な顔が映り、普通の家よりも少し広めな浴室中に彼女の愉快げな笑い声が響くのだった。
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