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第22話

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ――ホウ……ホー……ホゥ…… 今は夏ーーー。 それも、今宵は特別な熱帯夜のため――開け放たれた僕の部屋の窓の外――御見山(おみやま)がある方向から単調なリズムで鳥の声が聞こえてくる。 あまりの暑さに、寝苦しくなり中々寝付けずにいた僕は――ふと、隣にいる日和叔父とその彼にくっつくようにして眠っているカサネとシャオリンの姿を見てみた。 三人とも――よく眠っているみたいだ。 (そういえば――誰か他の人の寝息にピッタリ合わせて呼吸すると……自分も寝るって……藤司さんから聞いた事がある――あれは、確か父さんが不眠症に悩んでて彼に聞きに行った時だったっけ――僕も試してみよう) ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ――あれから、どのくらいたったのだろう。 とりあえず、藤司さんから聞いた眠りにつく方法は一応は成功したらしい。だが、僕が眠りの世界からハッと目覚めた時、とある違和感を抱いてしまう。 (か、体が――全然動かない……それに、何か……何か黒いモノが――僕の体に乗っかってる……し、しかも……) 僕の体の上に黒いモノが、のしかかっている事に加えて、その得たいの知れない黒いモノは――あろう事か、夏の熱帯夜の寝苦しさから散々体を動かしたせいでパジャマの上衣がはだけて、ほぼ胸元が露になった僕の腹の辺りを――すりすりと絶妙な手付きで、まさぐってくるのだった。

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