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第42話

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ――ガラッ!! 父さんがくれた御守りに長めの紐をくくりつけて、首から下げられるようにしてから、僕は風呂場の戸を開ける。むわっとくる湯気の熱気に思わず顔を背けてしまった。しかし、その熱気もすぐに収まり――さっと、かけ湯をしてからもわもわと白い湯気をたてている湯船に肩まで浸かる。 「あ……あ~っ……」 まるで、そこらにいるおじさんのような気の抜けた声を出してしまい、ハッと我にかえった僕は恥ずかしくなってしまったものの、今は日和叔父さんもいないし此処には僕以外に誰もいないためホッとする。 ――ポタッ…… ――ポチャンッ…… と、その時だ―――異変に気付いたのは。 上……しかも、今いる湯船の真上から――水音が聞こえてくる。古い家だから、雨漏りでもしているのだろう、と思ったとたんに異変は水音だけではないと気付いた僕はおそるおそる音が聞こえてくるを真上を見上げようと目線を動かす。 いやに―――生臭さが鼻をつくのだ。

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