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第49話
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そんな僕のモヤモヤした気持ちとは裏腹に――僕ら一行が乗った車は、どんどんと土忌野村に向かって進んでいく。
途中、若干道が混んで渋滞にはまりかけた事もあったのだが――割とすぐに解消されて更に長く続いていくトンネルの中を――ひたすら真っ直ぐに進んでいく。
(嫌だなあ――トンネルか……この間の怪異なるモノに襲われた時の事を思い出すし―――夢月は平気っぽいけど……)
夢月は僕なんかよりも、よっぽど性格も明るいし何気にモテるのに、どうして僕と一緒にいてくれるんだろう。
【怪異なるモノ】や【それ以外の霊達】に襲われるのが怖くて怖くて堪らないせいで俯いてばっかりの僕に仲良くしてくれるのなんてクラスでは夢月くらいだ。
「日向くん、日向くんってば……何をボーッとしてんの?」
「ん……な、何でもないよ?ちょっと眠くなっただけ……」
「うそ!!どうせ、日向くんの事だから――何か後ろ向きの事でも考えてたんでしょ?じゃあ、そんな後ろ向きの日向くんが一気に目を覚ましそうなもの――見せちゃおうかな~……」
そう言って、いたずらっ子のようにニンマリとした笑みを浮かべながら夢月が、おもむろに手に持っている大きめの鞄の中をごそごそと漁り始める。
悪戯好きの夢月の事だから―――どうせ録な物が入っていないのだろう、と嫌な予感を抱いた僕の目に飛び込んできたのは一着のスクール水着だった。しかも、どう見てもそれは男物ではなく――女物で僕はギョッとした表情を浮かべつつ、尚も隣で愉快げにしている親友の顔へとドン引きしながら目線を向けるのだった。
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