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第126話
ブゥ―ン……ブゥ、ン……という不気味な音に好奇心を刺激されて僕と小見山くんは雑草を踏みしめる音とザァ、ザァという雨音しか聞こえない不気味な静けさが包む【腐望来の池】周辺区域に足を踏み入れた。
【腐望来の池】は最近では心霊スポットとして有名になっていて、住んでいる村人達でさえ足を踏み入れるのを躊躇してしまう程に不気味な池だ。
すっきりと晴れている時でさえ―――その異様な静けさと昼間でさえも薄暗い不気味さ故に人々から薄気味悪いと言われ、最近では住み慣れた村人(僕と小見山くんも含む)でさえも滅多に足を踏み入れる事はない。
とはいえ、【腐望来の池】は心霊スポットといわれるような事件があった訳でもない。ただ、その昼間でも薄暗い不気味さと不気味な雰囲気を醸し出している事から有名になっただけであり―――本来ならば何の変哲もない単なる池だ。
僕ら村人達や心霊スポット目当てで来る人々が勝手に【不気味】【薄気味悪い】【幽霊が出る】といった様々な負のイメージ付けて―――【腐望来の池】から足を遠ざけたり興味本位で来たりしているだけだ。
(そう……だから……怖がることなんかない……っ……単なる池なんだから……っ……)
と、心の中で自分自身に言い聞かせつつ―――小見山くんにすがりつくようにしながら、ゆっくりと池の水面へと近付いて行く。
「ひ……っ…………!?」
誰かが______
水面に浮かびながら_____
降りしきる雨粒に____
たたきつけられている___
(浮かんでいる……っ……しかも……あそこの浮かんでいる人の周りにいるのは……いるのはっ……蚊の……っ…………)
これ以上ーーー池に浮かぶ誰かの遺体を目にしてはいけないと分かっているのに、僕は―――水面を覗き込んでしまう。
男の人だーーー。
でも、誰かまではーーー分からない。
体中を埋め尽くしてしまう程に、大小様々の大きさの黒い穴が開いているからーーーを
「おいっ……おい……っ……お前は…………見るんじゃねえ……っ……!!」
「い……嫌だっ……嫌だ…………っ……」
と、慌てている小見山くんに半ば強引に両目を塞がれながらパニック状態になりーーーそのままま池の水面に浮かぶ誰かの遺体の様を脳裏に焼き付けたまま意識を手放してしまうのだった。
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