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第132話

※ ※ ※ ※ バタンッ………… 「……っ…………」 はあ、はあっ…………と息を切らしつつ―――僕は勢いよくトイレの個室に駆け込んだ。初めて、カサネと叔父さんに嘘をついてしまった。 だって、仕方がないんだ___。 今更、叔父さんに腐望池に男の人(正体は絶命した鬼村先生)が浮かんでいた事を言った所でどうにもならないし、香住くんとの夢のようなひと時の事を言った所で怪訝そうな目線を向けられてしまうのは―――目に見えている。 現に、先程のカサネだって―――まるで僕に疑いをかけているかのような怪訝そうな目線で椅子から立ち上がった僕を見つめていた。言葉にこそ出さなかったけれど―――あのカサネの目付きは【お前が鬼村先生を見殺しにした(又は直接池に突き落とした)んだろう?】と言わんばかりに猜疑的なものだった。 だから、僕は___衝動的に椅子から立ち上がって保健室に行くと言って嘘をついて誰も来そうにないトイレの個室へと駆け込んだのだ。 でも、わざわざ嘘をついてまでここに来たのはなにもカサネの猜疑的な僕に対する目線から逃れるためだけじゃなくて、どうしても一人きりになりたい別の理由があったからだ。 これからしようとしている行為を、他の人達に見られる訳にはいかない。そんな事になったら___それこそ、叔父さんやカサネだけじゃなくて周りの人達から変態扱いされて大変な事になってしまう。 「…………」 息を殺すようにトイレの個室の中から外の様子を伺う。幸いにも、今は本来であれば授業中なので人が来る気配はない。足音や声が聞こえないことを充分に確認した僕は目線を下へと下ろす。 「……んっ…………はぁっ…………」 その後、決して大きな声をあげないように気をつけつつもズボンのチャックをジーッと下ろしてからゆっくりと勃起しきってビク、ビクッと震えているモノを握り込むのだった。

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