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第135話

※ ※ ※ 「やあ、いらっしゃい…………今日は夢月くんは―――来ていないみたいだね。でも、今日はどうして此処に来たの?まさか、この前みたいにプリントを届けに来たって訳じゃないよね?」 「そ、それは……その……っ……そうだ―――これ……この本を香住くんに返そうと思って…………ごめんなさい、僕―――この前、来た時に持ち帰ってきちゃったみたいで…………」 あれから憂鬱な授業を終えて放課後なると、僕と小見山くんは例の如く雨が降りしきっているせいでぬかるんでベチョベチョした山道を二人で歩きながら香住くんが住み拠としている【館】を目指して黙々と歩き続けていき―――白い霧に包まれて朧気に存在する館の中へと再び足を踏み入れた。 香住くんは嬉々として僕らを受け入れてくれ、館の中へと通すと―――降りやむ気配がないくらいに激しく降る雨のせいで全身ずぶ濡れとなってしまった小見山くんの世話を執事さんやメイドさん達に任せて、僕の手を掴むと―――そのまま半ば強引に二階の部屋(この前、香住くんと二人きりになり甘いひとときを過ごした部屋)へと連れて行く。 ベッドに座っていいよ、という香住くんの優しい言葉につい甘えてしまった僕は―――いつも執事さんやメイドさん達が整えているであろうフカフカのシーツが敷かれた豪華な天蓋ベッド へと腰を下ろす。いつも床に敷いた布団で寝起きしている僕にしてみれば、その天蓋ベッドはとても高級そうで―――まるで夢の中にいるみたいに思えてしまう。 「ああ、そんな些細な事―――気にしなくていいよ。それよりも、この間は―――とても良い時間を過ごしたよね……僕の血の味はどうだった?」 「甘い……甘い―――とても……甘い―――血の……ひと……とき……」 どさっ………… ふと、何かを手に持ちながら香住くんが穏やかな笑みを浮かべつつベッドに近づいてくる。ギシッとベッドのスプリングを軋ませつつ彼が腰をかけた後―――おもむろにボーッとしつつ呟いている僕の両手を掴むと力を加減しつつフカフカのシーツに沈ませるように押し倒してきたたのだ。 「今日はこの前よりも、もっともっと甘くて刺激的なひとときにしてあげる……この【ロギンの書】にも……そう書いてあるし、何よりも×××のお告げも―――あるしね……ちょっと痛いかもだけど……我慢してね?」 「あっ…………ん……っ……か、香住くん……っ……く、くすぐったいよ……っ……」 どうやら、香住くんは手に持ってきる【ロギンの歯】と呼ばれてた異国のナイフの切っ先を僕の半ズボンから伸びている太腿に切り傷を浸けたらしい。痛みは余りなかったけれど、ツツーと太腿を伝って僕の赤い血が流れ落ちていく。 すると、香住くんは何の躊躇もなく―――この前の僕がしたように彼も太腿を伝って下へと流れていく血を舐め―――いや、ちゅーちゅーと水音をたてながら激しく吸い付くのだった。 その度に、びくっ……びくっと僕の体は快感に震えていき―――いつの間にやら下半身のモノが膨らみかけているのだった。

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