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第151話
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「転入生……って―――あんな二人も一気に来るものだっけ?しかも、何かさ中途半端な時期だね……でも、二人とも良い子そう……なんか、井森と矢守って変な名前だけど……って井森はそうでもないか」
「んもー……日向くんったら、さっきから二人の転入生の事ばっかり……傷つくなぁ……ずっと一緒にいるボクよりも転入生の方が気にかけてもらえるなんて~。てかさ、確かに珍しいかもだけど此処は田舎だから……そういうのもありなんじゃないの?形式通りじゃ……面白くないじゃん」
夢月と共に遅刻し、眉間に皺を寄せて青筋を立ててる教師に扮したカサネにしこたまグチグチと怒られた日の休み時間、僕はその日に転入してきた《井森》《矢守》という二人の男の子について夢月と話していた。
パッと見た感じでは―――【井森くん】は肌が白く女の子みたいな顔つきをしているため特に男子からチヤホヤされていて、逆に【矢守くん】は肌が浅黒い褐色少年で尚且つ無口なため、それがワイルドで素敵だと女子からチヤホヤされている。
チラッと耳を立てて話しを聞いた時に知った事なのだけれど、【井森くん】と【矢守くん】は家が隣同士の幼なじみだそうだ。家が隣という事以外は自分と夢月と同じだな、とボケーッと転入生たちを見ながら思っていると―――ふいに何故か此方に目線を向けている【矢守くん】と目が合った。少しの間、見つめ合っていた僕だったけれど―――すぐに勢いよく彼が顔を逸らしてしまったため少し不思議に思いつつも恥ずかしがりの矢守くんに悪いなと思った日向は目の前で不貞腐れている夢月の方へと目線を戻した。
「転入生だからって―――夢月くん、二人を気にしすぎだよ~……あ、そういえばさ……噂で聞いたんだけど面白そうな話しがあるんだぁ……今日の放課後に見に行ってみない?」
「えっ……見に行くって……何を?」
「旧校舎の中庭に埋められた―――【呪われたタイムカプセル】!!なんかね、そのタイムカプセルを開けると災厄に見舞われちゃうんだって~……怖いよね……旧校舎の曰く付きの女の子の幽霊も見れるらしいよ……って……霊媒体質の日向くんは――来てくれないか。でも、でもさ……ボク、どうしても親友の日向くんと一緒に行ってみたいの……ダメ―――かな?」
「い……いいよ、別に……大好きな夢月のお願いだったら……でも、途中で逃げるとかなしだからね!!」
ということで、またしても僕は放課後に夢月の気まぐれに付き合うことになってしまったのだった。
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