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第230話
「な、何だよ__今の女の子の声!?まさか、本当に幽霊が……っ__」
「あほか、んな訳ねえだろ。でも、まあ気になることは確かだから仕方ねえな……おい、その子から離れてやれ。とりあえず、日向ちゃんのストリップショウはまた今度だ。オレらがこの田舎にいる間だったら、いつでも出来るからな。とりあえず、今はあの悲鳴が聞こえた所に行ってみようぜ。もしかしたら、とんでもねえのが撮れるかも……」
「おいおい、とんでもねえのっていうのは例えば……どんなのだよ?」
そんなやり取りをしながら、ダイとチュウは会話をし続け、尚且つショウは小見山くんの体から離れて解放する。
「ばーか、さっきの悲鳴はどう考えたって小学生の女の子の悲鳴だろ。しかも、切羽詰まってる様子だったし、苦しみに歪むロリっ子の姿を動画で撮って《あなったー@みーな》にアップしてみろよ……再生数が稼げるなんてもんじゃねえぞ」
ゲラゲラと下品な笑みを浮かべつつ、悪趣味な言葉を言い続ける彼らに対しての凄まじい怒りを僕は堪えることができずに反射的にダイの頬を平手打ちしてやろう、と身を乗り出す。
しかし、それをする前に僕と同じように必死で怒りを耐えているような顔つきをしている土橋さんから制止されてしまった。土橋さんは、チラッと小見山くんの方に目線を向けた。
《小見山くんに危害が及ぶかもしれないから、今はどうにか怒りを堪えて耐えろ》
そう顔に書いてあったため、僕は沸き起こる怒りを必死で抑えた。すると、先ほどまで調子に乗って悪趣味なことばかりを言ってくる三人に対して何も言わなかった土橋さんは低い声でこう言ったのだった。
「お前ら、いつか____バチが当たるぞ……それでも良いのか?」
発散できずに溜まりきった低い怒りの声をあげる土橋さんを一瞥し、バカにするかのような笑みを浮かべた後で忠告ともとれる言葉を無視した大学生メンバー達は、先ほど女の子の悲鳴が聞こえた方へと歩き始める。
「…………」
が、唐突にダイがその足をぴたりと止めて此方へと振り返った。彼は無言だったけれども、僕らに対して何を言いたがっているのかなんて分かりきっていた。
互いに危害を加え加えられたくないなら黙ってオレらの後に着いてこい___と、そう言いたがっているのだ。
無言でニヤニヤと笑みを浮かべてくるダイが心の底から憎らしい。
でも、脅迫されている以上ら悔しいが彼らに従うしか道はないと思い直した僕らは互いに目線を合わせると仕方なしに大学生達に着いて行くのだった。
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