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第6話

「引き取りを決めてからは親権を持つに相応しい人間か調査があったり、色々な手続きが沢山あったんだ。 保育園も空き待ちをしてる人がいっぱいですぐに入れる訳じゃないし、幼稚園も遅くまで延長保育をしてくれる場所を探してて…… 父子家庭で受けられるサポートとか、受けられる補助とか調べたり…… …………とにかく本当にごめん。 お前に早く言わなくちゃ…… と焦る気持ちはあったけど、別れ話になるかもって考えたら、なかなか覚悟が決まらなかった」 全然、優雅の言葉が頭に入らない でも、繋いだ手が温かくて、また溢れた涙を優雅は拭ってくれた 「…………ちょっと待ってくれ。 一つ確認したい。 他に好きな人ができた訳じゃ……」 「…………好きな人? 俺が好きなのは響だけだよ。 この子の事も早く伝えなきゃいけなかったのに、振られるかもしれない……そう思ったら…… 怖くて言えなかった…………」 『響だけ』 ………………本当に? 怖くて…………? 俺と……同じ…… 正直、子供の話はショックだし驚いた 「振ったりしない……」 …………別れ話じゃなかった ホッとして、また涙があふれた 「響にも絶対迷惑かける事になるから、言い出せなかったんだ。 光は引き取ったらこの家で育てる事となる。 ただでさえ、男同士だし…… 近所にどんな目で見られるか……」 男同士で子連れ 確かに色々言われそうだし、変な勘ぐりを入れてくる奴もいるかもしれない 「確かに……少し……怖い…… でも、俺…… 優雅に好きな人が出来て別れ話されると思ってビクビクしてたんだ そうじゃないって聞いて、死ぬ程ホッとしてる 子供も子育てもよく分かんないし、周りの見る目とか不安もあるけど…… だけど……優雅を失うより辛い事はない…… と思うから……」 「響……」 …………目が合うの、久し振りだな。優雅 優雅の目も潤んでて、それを見たら余計に泣けてきた 何も言葉にならなくて優雅を見つめる まだ、混乱してるけど…… 他に好きな人が出来た訳じゃなくて、本当に良かった 「パパ」 …………ビ……ビックリした! あまりに静かで、ちょっと存在を忘れてた 「おれ、眠くて…… もう寝てもいいですか?」 「あ、あぁ。ごめんね。光。 ちょっと待ってて。響。光を寝かしてくる」 待っている間、色々考えた 優雅はパパ。俺は……? 三人で買い物や公園に行ったりするんだろうか 光が運動会の時には一緒に見に行くのかな、とか……

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