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第9話

光は優雅にやっぱり似てる パッチリとした目 子供のくせに長いまつ毛 柔らかい黒髪 「ジロジロ見んなよ。響」 「…………」 喋んなきゃね …………喋んなきゃ似てるんだ 俺を邪魔だと言った言葉は本音なんだろう 常に微妙な意地悪が続いてる 俺の好きなプリンを冷蔵庫の奥に隠すとか、靴を左右に逆にするとか、大した事ないやつばかりだけど…… 「光。今日は俺、仕事で遅いから響の言う事を聞くんだぞ」 「…………うん」 「早速ごめんな。響。 なるべく早く帰るようにするから」 「取引先の接待じゃ仕方ないよ。 大丈夫。いってらっしゃい」 「行ってきます」 土曜日の夜 突然、訪れた二重人格問題児と二人きり 「おい。響。 ……おれの分のご飯、作ってくれない気だろ」 「なんで?ちゃんと作ってやるよ」 「つ、作ってくれるのかよ。 おれ……いつもお前に意地悪してたから……」 「俺は大人だからな。苦手なものは?」 「ピーマン、ゴボウ、玉ねぎ、人参、レタス、カボチャ……あと」 「待て!野菜、全部ダメなのか!?」 「ポテトときゅうりは食べれる」 ネギなしのチャーハンと具がきゅうりのみのポテトサラダにした 光はパクパクあっという間に平らげた 「おいしい?」 「……まぁまぁだな」 ニコニコしてるし口元も緩んでる 面白すぎ…… ゴロゴロゴロゴロ…… ……雷か ピカッ……! ドドドォン 「今の近かったな?落ちたのか?」 カーテンを開けて、外の様子を見る 光はブルブル震えてた 「光?」 「ひっ、響!きょ、きょ、今日の夜ご飯のお礼に一緒に、ね……寝てやろーか!?」 「……………雷、怖いの?」 「べ……別に?おれは全然!怖くないけど、響が怖いかと思って……」 何それ 「ふふ……」 「……何笑ってんだよ」 本当に面白いな。光は 早めに一緒に布団に入ると、光は雷が鳴るたびに震えてる 俺の袖を掴んできた小さい手を見て、思わず、キュンとする 俺にもあったのかな……父性ってやつが…… 「響……おれが雷と野菜が苦手な事、口が悪い事、パパには内緒にして……」 「どうして?」 「だって良い子じゃないと嫌われる……」 そんな事、気にしてたのか 親戚の家にいたらしいし、小さいのに気を遣ったりしてたのかもしれない 「優雅は優しいし家族だから、そんな事じゃ嫌ったりしないよ」 「本当?怖がりでも?」 「うん」 「意地悪でも……?」 「うん…… 優雅は光を大切にしてる。本当だよ」 その時 光はホッとしたような表情を見せた

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