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第5話
キッパリ朔を選ぶと宣言した秀一に
こんな決断をさせてしまって申し訳無く思うも
その気持ちが凄く嬉しかった
「大丈夫だ朔、お前は俺が守るから……」
「うん、ありがとう」
肩を抱き寄せそう言ってくれたから
この先何があっても乗り越えられると思った
そして第一子である息子が生まれた__
「名前、希一って付けていい?」
「お前がそう言うなら」
実は少し前から朔が考えていた名前
希望の「希」と朔が秀一に感謝の意を込めて彼から一字取った
どんな時もずっと支えてもらったから……
それにこの子が二人の子供と言う事実がより実感出来ると思ったから
「ありがとう朔、嬉しいよ」
「こちらこそ、これからも宜しくお願いします」
幸せの一時を噛み締め希望が一杯だったが
朔は産後体調がすぐれない事が多々あり
中々希一の世話をする事が出来なかった
この日も希一が泣いているのに起き上がる事すらままならない
「朔様、私がお世話を致しますのでお休みになられて下さい」
そう言うのは秀一の従者である安藤棗
βでありながら秀一が信頼し唯一連れてきた
彼は朔に対しても秀一同様に接してくれて
安心出来る人だ
「ごめんね棗………」
「いいえ、希一様、今ミルクの用意を致しますので少々お待ちください」
嫌な顔一つせず笑顔で希一の世話をしてくれるが、それに加え家の事も朔の事もやってくれていて負担は大きく朔はそれが心苦しかった
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