8 / 18

第8話

カチャリと玄関のドアを開けると 義母が不機嫌そうに立っている 「遅いわよ いつまでも待たせる気?」 「すみませんお義母様」 「気安くお義母様と呼ばないで それより秀一を呼んで頂戴」 相変わらず朔の事は嫌いなようで不快感を露にする 「すみません、秀は今仕事で……」 「嘘よ、今日は休みでしょう? 折角この近くまで来たから会いに来たの ただでさえ貴方のせいで会えないのに」 「申し訳ないのですが本当に仕事の急な呼び出しで今家にいないんです」 仕事だと説明しても中々納得しない彼女は 強引に家に押し入り大声で秀一の名前を呼びながら探しながらリビングにまでやって来た けれどいないと分かると余計に不機嫌になる しかし義母はふと笑みを浮かべた 「女でも出来たのかしら?」 「……?」 「まぁ、こんな男でΩよりよっぽどいいのだけど」 流石にこれには腹が立った 「秀はそんな人ではありません!! 彼は誠実で優しい人です」 浮気なんてするような人ではない 彼を見ていれば分かるのに実の母親がそんなことを言ってほしくなかった 不穏な空気の中希一と棗がここへやって来た 「おかあさん?」 「希一……」 突然の訪問者に希一は戸惑った様子を見せ 慌てて朔が傍に行く 「希一、この人はねお前のお祖母様だよ ほら、挨拶しなさい」 「おばあ…さま……?」

ともだちにシェアしよう!