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第15話
希一も大分人に慣れそろそろ高校について考えなければならない時期になった頃彼は思いがけない事を言ってきた
「俺、聖雷に行きたい」
驚いた
まさか朔と秀一も通った名門校に彼は行きたいと言ったのだから
けれど朔は複雑だった
αの多くが行く学校で寮暮らしとなる
そんなところにΩの希一が行って大丈夫なのかと
朔だって在学中は嫌がらせや襲われそうになったり辛い思いをしていたのだから
朔の場合は秀一や棗が助けてくれたが
希一はどうだ?
助けてくれる存在が出来るとも限らない
それでも希一は行きたいと、自分の可能性を広げたいのだと訴える
そんな彼に秀一はいいんじゃないかと言った
「秀!!」
「あまり過保護になりすぎても今後希一の為にならない」
希一だって分かってる
自分の進む道がどんなものか……
それでも覚悟の上で行きたいと思ったのだからと秀一はその意志を尊重した
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