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第2話 整理した結果?

りっちゃんと、5年ぶりの再開を果たした僕。 そしていきなりキスをされた。 なんと、ファーストキスだ。 ファーストキスの相手がりっちゃんで、幼馴染みで、お兄ちゃんで、しかも男で、って、なんだよこれ!ホモ展開きた! 一晩中頭の整理をしたけど、追いつかないよ。 なんで? 「なんで…キス、してきたのかな」 とりあえず、いろいろ調べてみた。ググってみた。 キス。Kiss。 相手への愛情表現。親愛の印。欲求不満? 「キス、キッス、せっぷん?チュー?」 だめだ。ぜーんぜんわからん。 そして朝になり___ とりあえず、身内に聞いてみる。 「父さん、キスするときって、どんなとき?」 「ぶはっ……」 あ、コーヒー噴き出した。汚いなあ。 「い、いきなり何を言い出すんだ?裕太、お前にはまだ早い!」 いきなり結論を告げられてしまったな。 次。 「母さん、いきなりキスされたんだけど、これってどうゆうことかな?」 「そりゃあもちろん、うちの裕ちゃんはとびきり可愛いもの。キスしたくなるのも当然だわ」 あまり参考にならず。 てゆーか、嬉しくないよそれ。 「はぁ……」 結局、学校へ行く時間になってしまったじゃないか! 広すぎる学校のおかげで、りっちゃんとバッタリ遭遇、なんてことはないけど、会えないのは嫌だ。 かといって、どんな顔して会えばよいのか……。 「あれ、裕太?」 「……!」 え、えぇぇぇぇ!? 爽やかな朝に似あいすぎのりっちゃん、登場。 朝の通学路で一緒って、なんでやねん! 「あ、あ、りっちゃんおはよう…」 ああ、絶対顔がおかしい。 「おはよう。朝が一緒なんて珍しいね」 珍しいっていうか、初めてだよ! 「そ、そうだね。そういえばりっちゃん、朝は生徒会あるんじゃないの?」 なぜか、肩を並べて歩くことに。 「ああ、うん。いつもはあるけど、今日はないんだ」 「……へぇ」 ……会話が続かぬ。 き、気まずい! まじでどうしたらいいんだ、これ。 いっそ、昨日のことを直球で聞いてみるか? 「裕太、聞いてる?」 「え!ごめん、聞いてなかった。なに?」 「だから、明日のことだよ」 明日? 「…なにかあったっけ?」 全然記憶にない。 すると、滅多に笑わないりっちゃんが、クスッと笑った。 「やっぱり、忘れてたんだね」 うわぁ、笑顔、やばい。 めちゃくちゃ胸が、きゅーんってなった。 「明日は、新入生歓迎会だよ」 「え、あー。そういえば」 そんなかんじのことを、担任が話していたような? 「裕太は、誰とまわるか決めた?」 歓迎会って、たしか、出し物とかいろいろ出るんだったよな。学園祭みたいに。 「いや、特には決めてないかな?」 りっちゃんのこと考えすぎで、すっぽり頭から抜けてたよ。 とゆーか僕、まだクラスに友達いない。 「うん、裕太は人見知りだもんね。昔から」 あ、なんか今のちょっと嬉しいかも。 俺のこと、昔からのも覚えててくれたからかな。 「そうなんだよねぇ……。なかなか慣れないっていうか、はは」 「まわる相手がいないなら、俺とまわる?」 「え!」 りっちゃんからお誘い! どうしよう。すごい嬉しい。 「……嫌じゃ、なければだけど」 「嫌なわけないよ!ただ、りっちゃん、生徒会の出し物とかあるんじゃないかって」 「……」 「だから、嫌じゃないよ。嬉しい!」 「!……そう、よかった」 あ、なんか今いいかんじかも。自然というか、違和感ないよね? 「じゃあ裕太。明日は俺の教室に来てね」 「うん、わかった」 話が一段落すると、あのムダにでかい学校が見えてきた。 「……今さらだけど僕、よくこんなとこに入れたなぁ」 校門をくぐって、思わず呟く。 「結構難関だからね。裕太が頑張ったからだよ」 あ、また笑った。 なんか、りっちゃんよく笑うようになった? 笑うというよりは、ほほ笑んだに近いと思うけど。 すると、ほんとに突然、まわりの生徒達が騒ぎ始めた。 ひそひそと話ながら、ちょっと興奮してる? しかも、こっち見てる!? 「な、なんか視線感じない?りっちゃん」 「そうだね。俺たちのこと見てるね」 やっぱり? しかし、ただひそひそ話声がするだけで、こちらにはなんの危害も加えてこない……居心地は最悪だけど。 そして下駄箱でりっちゃんと別れ、教室へと向かっている最中も。 ひそひそひそひそひそひそ… ああぁぁぁぁぁ!! 視線がっ! 「…ねぇ、きいた?あの子が…」 「……知ってる!見た見た…」 僕、なにかしたっけ……。 入学早々ドジしたっけ……。 悲しくなってきた。 ガラ___ ざわっ!! 僕が教室へ入ると、とたんに騒がしくなる。 もおやだぁぁ!!なにこれ!? まじでへこんでいると、クラスの数人の女子が話しかけてきた。 「ねえ羽柴くん!」 「あ、はいっ」 は、初めて話しかけられた。女子に。 そして囲まれた。女子に。 「昨日と今日、見ちゃったんだけどさぁ…」 女子の目がきらきらしてる。ギラギラ、かな? 「ねえ、神木先輩と、どうゆぅ関係なのっ!?」 え、りっちゃん? 「昨日は図書室に2人でいたし!今日なんて、一緒に登校!」 「私、生徒会長が笑ってるの初めて見た!」 あぁぁぁ、質問攻めぇぇぇ。 なにこの、付き合いたてのカップルに聞くような質問はっ! 「「どうなの!?」」 「………えっと」 普通に答えればいいのに、声が出てこない! あああ、心臓ばっくばく。 「り、りっちゃんとは幼馴染みで……」 「きゃぁぁぁ!りっちゃんだってぇ!」 み、耳が…。 「しかも幼馴染み展開きたぁ!」 「萌えるわぁ」 そのあともりっちゃんとのことを、根掘り葉掘り聞かれ、解放されたのはホームルームのチャイムが鳴ってから。 女子ってこわい。 と、僕の心に強く焼きつきました。 また囲まれるのは嫌だなぁ。どうしよう。 キーンコーンカーンコーン__ 「ねえねえ羽柴くん!さっきの続きなんだけど!」 「聞かせて聞かせてぇ!」 ああ、なんかもう、無理。 こんなに囲まれたの初めてだし、女子とこんなに話したこともなかったし、ちょっと気絶しそう。 ついに、もう限界!っとなったとき、僕の体は倒れなかった。 「…ぁ」 りっちゃんが支えてくれたから。 「…りっちゃ」 「悪いけど、裕太は人見知りだから。質問はほどほどにしてくれるかな」 僕の後ろにいるりっちゃんから、聞いたこともないくらい低い声が聞こえた。 もしかして、怒ってる……の? 「…ご、ごめんなさい!次からは気を付けますぅ」 わ、すごい。 騒がしかった女子達が、一瞬で黙るなんて…。 「裕太、大丈夫?」 だけどとたんに優しい声が聞こえて。 「……うん」 少し大きな手が僕の頭をなでて。 胸がすごくドキドキして。 整理できていなかった頭がいっきにまとまった気がした。 僕__ りっちゃんが好きだ__ 突然すぎる恋心に、僕の頭はまた、混乱しはじめた。

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