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「味噌汁…」 「朝の味噌汁体に良いらしいよ?」 「知らねぇし…いらねぇし…」 血圧の下がった頭を抱え三園は項垂れた。 昨日色々あったあと、現実逃避のように眠りについた。 そして起きてみればこれだ。 「ご飯も入れようか?」 「勘弁、味噌汁だけでもきっちぃ…」 「いただきます。」 「聞けよ」 マイペースに朝食をとりはじめる千田に呆れつつ、テーブルに置かれた味噌汁へと手を伸ばす。 一応考えたのか具材は少な目に注がれているそれに、ズッ…と口をつけた。 うめぇし… 腹立たしいことに千田が作る料理は毎回美味い。 この味噌汁だってちゃんと出汁がとられているのか、薄味なのに旨味は強い。 「おいしい?」 「…………悪かねぇよ」 「そ、良かった。」 フワリと笑うその姿にフンッと鼻をならした。 何となく胃袋から捕まれてるような気がして、女の作戦かよ…と心の中で突っ込んだ。 「お前、何で料理できんの?」 「一人暮らししてたら身に付くでしょ?」 「つかねぇよ。」 外食かコンビニかインスタントか。 たまにバイト先のおっさんから貰える奥さんからの差し入れが三園の栄養源だ。 最低限の調味料と食材が冷蔵庫にあるだけで、ほぼ手付かずの調理器具は棚に押し込んである。 「まめに料理するとか、あり得ねぇ。」 「そう?まぁ、元々料理嫌いじゃなかったからね。実家でも…」 「んあ?」 そこまで言って言葉を切る千田に視線を投げる。 「何でもないよ」とご飯を口に運ぶのを「ふーん…」と見つめ、三園も残りの味噌汁を飲み干した。

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