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「電気点けるね。」 小さな声が背後から聞こえ、次いで部屋がパッと明るくなる。 目に刺さる灯りに眉を寄せながらも、空になったペットボトルを握りつぶしゴミ箱に放った。 「ナイス」 壁に当たりそのままゴミ箱に落ちたのを見て千田が笑う。 その声にさっきまでの苦し気な様子はなく、三園は僅かに緊張していた体から力を抜いた。 「なんか目も覚めちゃったし、酒でも飲もっか。三園、何がいい?」 「…何があんだよ。」 「何でもあるよ。ビールでもワインでもウイスキーでも。あ、カクテルもあるけど割るのにジュースは切らしてる。どれがいい?」 ベッドから立ち上がりながら指折り告げるのに苦笑した。 カクテルジュースって、女子かよ。 「んなら、ポン酒」 「熱燗と冷や」 「冷や。コップ酒で出せよ。チマチマ飲むのたりぃ。」 「了解。三園らしいね。」 クスクス笑いながらキッチンへと向かう後ろ姿に、捨てていなかったキャップを投げつけた。 普通にダチの家に遊びに来ているかのような流れに、監禁されているのだということを忘れそうになる。 それでも、さっきみたいなのより全然いい。 何だったんだ、あれ。 魘されていたほんの少し前までの千田を思い出し、三園は小さく息を吐いた。

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