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ほんとに強いな… もう何杯目か分からない日本酒の入ったコップを傾ける三園に、こんなはずじゃなかったと千田はため息を吐いた。 『勝てば好きにできる』 三園のあの言い方からしてそう解釈したが、これでは好きにできるどころか何をされるか分かったものではない。 自分も決してアルコールに弱いわけではない。 むしろ強い方だと思っていたが、三園はその上をいく酒豪だった。 勝ったら問答無用であんなことやこんなことができるのに… 「降参するか?」 飲むペースが落ちてしまった千田に向かい、ニッと笑う。 見た目もシラフの時とさほど変わらないその様子に「まさか」と千田もウイスキーを傾けた。 炭酸水が無くなった為、ロックで飲み続けた結果すでに己の酒量は越えている。 それでも勝ちたい一心で煽っているが、正直味なんか分かっちゃいない。 「んだよ、まだ粘んのか。 ならそろそろ違うもん出せよ。ぽん酒飽きてきた。」 すでに空になった瓶を足蹴にし、残りわずかとなった二本目を揺らしながら余裕そうな口調で笑う。 それに苦笑しつつ、別のアルコールを取りに行こうと立ち上がった千田の足がふらついた。

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