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「っ、!」 急に立ち上がったからか一気に目の前が暗くなり、その場にしゃがみこんだ。 「お前限界来てんじゃね?」 「……まだ、いける~…」 「そ?別に構わねぇけど。めっちゃ語尾延びてんぞ。」 楽しそうな声。 拐ってきてからこっち、こんなに機嫌の良い三園の声は聞いたことがなかった。 「やられた~、こんなに強いとは思わなかった…」 「負ける勝負は吹っ掛けねぇ。」 「ずるい…」 フンッと鼻を鳴らしコップに残った日本酒をグイッと飲み干す。 下心をまんまと利用されたことが可笑しく感じて、千田はクックッと肩を揺らした。 「笑ってねぇで、さっさと敗け認めやがれ。」 「う゛~…」 チラッと視線を向けた先には、千田のウイスキーを自分のコップに注ぎ始めた三園の姿。 あ、これは勝てるわけない… 「無理だ…まけました~…」 その場にごろんと寝転びながら千田が悔しそうに呟く。 大きく息を吐き出し「三園のうわばみ~、へびおとこ~…」と床を叩く姿にウイスキーを吹き出しそうになる。 まるで子どものような口調と態度。 酔うと幼くなる千田に、三園は声をあげて笑ったー。

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