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7-5(※)
「てめ、ふざけんな!!」
顔を背けてキスから逃れる。
睨み付ければ、それすら楽しむかのように微笑む千田と目が合った。
「ふざけてないよ、本気。今からもっと深いのするけど、噛んだら駄目だよ?噛んだら、同じだけ僕も噛み返すから。」
「んっ…!」
不穏なことを口にされ、どう言い返すか悩む暇もなく。
再び熱もつ唇が重なってきた。
口内にぬるっとしたものが侵入してくる。
押し返すよりも先に、奥深くまで差し込まれた舌が口蓋をなぞる。
同時に、口の中に広がる鉄の味に思わず眉根を寄せた。
「な、やめろ…って…っ、」
「ん…ジッとして、怪我するよ」
唇が触れ合う距離で囁かれる。
自分よりも上背がある男に本気で押さえつけられていては、暴れようにも限界がある。
クチュッ…と互いの口から漏れる水音。
味わうかのように深く舌が差し込まれ、舌先が歯列を柔らかくなぞった。
押し返そうとすれば戯れるように絡み付き、軽く吸われた。
「しっかり僕を刻んで ね、三園…」
「嫌、だ…んんっ…」
覆い被さり執拗に重なる唇に三園の声は飲み込まれた。
何度も言われた『刻む』とはそういうことか。
キスの合間に繰り返された言葉の意味をやっと理解する。
どちらのものか分からない唾液を無意識に飲み込めば、さらに深くなる口付け。
それなのに千田の瞳は三園の表情を窺うように開かれたままで、至近距離にあるその眼差しに胸がざわめいた。
なんで、そんな目で見るんだよ…
どこか切なげにも感じられる瞳から逃れるように、三園は瞼を閉じた。
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