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「う"…眩し…」 日差しが顔を直撃し、その眩しさに三園は目を覚ました。 モゾモゾと体を起こし時計を確認すれば、すでに2時を回っている。 千田と酒飲んで…勝って… なんかめちゃくちゃエロいキスされて… そのまま、寝落ちしたんだっけ… まだボヤけている頭で昨日のことを整理する。 隣を見ればベッドでスヤスヤと眠る千田の姿。 まだ三園の体にもアルコールが残っていて、そのままボスッと布団に倒れこんだ。 なんだろな、これ。 昨夜のことを思い出して三園は苦笑した。 よく知りもしない男に拉致られて、しかも襲われて。 めちゃくちゃムカついて殴り倒してやりたいのに。 なのに…昨日のキスは悪くなかった。 自分勝手すぎる千田に腹立つし、許せる行為ではないけれど。 あの時見た千田の瞳が印象的で…少しだけなら受け入れてやっても良いような気がした。 今思えば、アルコールのせいで判断力が落ちていたに違いない。 それでも、そこから先のキスは正直言って気持ち良かった。 経験してきたセックスと違って、なんかスゴかったし… 自分が相手に愛撫を施すことはあったが、あんな風に触れられたことはなかった。 キスだけで勃つとか、そんな経験無かったのに。 男相手に気持ち悪いって感じるはずが、千田の声と吐息に色気を感じてしまった。 「あ"~、もうわっけわかんねぇ…」 キスも愛撫も、好きな相手とするから気持ちよく感じるものだ。 しっかりしろよ、俺。 モヤモヤとする感情と思考を振り払うように、勢いをつけて起き上がる。 一瞬クラっとするが、それを踏ん張り大きく伸びをした。 よし。 とりあえず水でも飲んで、シャワー浴びて、スッキリしてからカップ麺でも食おう。 ここでウダウダ考えても仕方ない。 こんな時間も明日になれば終わるのだから。 「面倒だから起きんなよ…」 まだ起きる気配のない千田を一瞥し、三園は布団から抜け出した。

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