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第7話
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大智とセックスして一週間がたった週末。
俺はまた一人で目的もなく、フラフラと夜の街中を歩いている。
数ヶ月ぶりにしたセックスはすごく気持ちよくて、快感に飢えていた体は満たされた。
だが厄介なことに、俺の体は貪欲だったようで、以前に増して中に欲しくて欲しくて仕方なくなってしまっていた。
何もかも大智のせいだ。
これだけは絶対にしてやるものかと決意していたアナニーにまで手を出すほど、セックスがしたくて堪らない。
彼氏の大地は相変わらずな感じで、風呂場で抜いてはもっともっとと思うばかりで、悪循環にも程がある。
また大智に会えたらもしかして・・・。
そんな思いでふらっと来てみたのはいいけれど、もし会ってしまったら抱いて欲しくてきたんじゃないかって絶対にからかわれる。
実際、そうなんだけど、認めたくない。
やっぱり帰ろう。そう思ったときだ。
「南」
ずしっと肩に重みを感じると、あの顔がそこにあった。
「大智・・」
「嬉しいな。また俺に会いに来てくれたの?」
「ち、ちげーし」
大智は俺の肩に腕を回してにやけてる。
大智に会えて胸が高鳴ってる自分に気が付くけど、口をつくのはやっぱり否定の言葉だ。
「またまた~。もしかして、俺のこと好きになっちゃった?」
「自惚れんな」
「自惚れるよ。少しでも好意があるからまたここに来たんじゃないの?」
「会う約束も会える保証もないのに随分自信があるんだな」
「あるよ。南を抱いたからそれくらいわかる」
「ッ・・お前うるさい」
「お前じゃない!だ・い・ち!」
べらべらと出てくる言葉に返しては返されて息切れがする。
「もっと素直になりなよ」
途端に真面目になった大智の言葉がズキッと胸に刺さる。
そう、何もかも俺が、俺から折れればいいだけの事ばかり。変な意地張ってタイミングを逃しているだけ。
そんなのは自分でもわかってる。わかってるけど・・・。
「見透かしたようなこと言うな」
また素直じゃない言葉で返した俺は、大智の手首を掴んで引っ張るように歩き出す。
話しかけられても無視してズンズン歩いて行く。
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