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所有物

俺と師匠が出会って1ヶ月と少しが経った 俺はそれなりに魔法を使えるようになった 「師匠~いい加減名前教えてください」 俺は師匠の腕を掴んで全身を使って揺さぶる あからさまメンドクセェって顔をしてそっぽを向くけど… 「そんなに名前が大事か?どうせ師匠って呼ぶんだから意味ねぇだろ」 「知りたいですッ 俺は知りたいんですッ」 俺は頬を膨らませて師匠の顔を見上げる すると呆れ気味に溜息を吐くので更にムッと頬を膨らませてみる 「ウル」 「え?」 「名前」 ウル… 「第二王子と同じ名前なんですね…」 「だから嫌だったんだよ…」 師匠はどうやら国王陛下の元に産まれた王子の1人第二王子のウル様と同じ名前なのが気に食わないらしい 何をそんなに気にすることなのか 寧ろ俺なら光栄に思うのに… 「はぁ…取り敢えず今日はもう飯食って寝るぞ」 「はい!」 俺は師匠が作ってくれるご飯が大好き 特に師匠特性のスープは身に染みる美味しさで俺の中では絶品物だと思ってる 「はぁ……」 席に着いた途端師匠は深く溜息を吐いた 「どうしたんですか?最近お疲れですか?」 俺が問い掛けると師匠は俺の顔をジッと見詰めてから再び溜息を吐いた 何なんですか一体… 「お前が来て1ヶ月だろ…セックスしてぇ…」 「ちょッ…師匠ッ!!」 俺は思わず顔を真っ赤にして叫んでしまう セッ…て破廉恥と言うかなんというか 俺は顔を真っ赤にして俯いてしまう 「だってレイラがいるから女連れ込めないし…まぁ,そこはいいんだけどな……」 師匠の言葉に少し不思議に思いながらも俺はグルグルと色々と思考を巡らせる 俺に出来ることってコレくらいだよなぁ… 「し,師匠が望むなら俺何でもしますよ……」 自分で言っておいて凄く恥ずかしくなる 拒絶されたら立ち直れないかもしれない 俺はギュッとズボンを握り締め反応を待った 「寝言は寝てから言え…」 「……本気です」 「言ってる事が分かってるのか…?」 「はい」 「……」 沈黙が生まれる バクバクと心臓の音が五月蝿い 男同士で…出来るかなんて俺には分からないし技術も何も無いけど…でも…… 「俺はあくまで師匠の所有物です。何されたって構いません…………師匠になら……」 「…………分かった。後で俺の部屋に来い」 そう言って師匠は晩御飯をあまり手付かずに添えてあったパンだけを持って寝室に向かった 俺はドキドキと高鳴り続ける心臓を痛いくらい感じながら食事を始めた

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