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第51話 告白編46(オマケ)
ついに、意識を失くしてしまった雪乃の身体を支えながら、涼介はその頬を優しく撫でる。
昔からずっと大好きで憧れていた大切な幼馴染み……罪悪感から一度はその手を離してしまったが、今、またこうしてそばにいることができる。
それどころか、自分の邪まな想いを受け止めてくれて、その身体を委ねてくれた。
本音を溢せば雪乃を独り占めしたいが、きっと自分一人だったら雪乃とはこんな関係にはなれなかっただろう。
最悪の場合、いまだに雪乃とは距離を置いていたかもしれない。
(雪ちゃんを渡したくない……負けたくないって思わせてくれたんだよな)
そんなことを思いながら、自分の雪乃への覚悟を決めさせてくれたかつてのライバルであり、そして今は同志ともいえる三人の存在へと涼介は目をやって言った。
「どうしたの? なんか、最後おとなしくなかった?」
その涼介からの問いに、三人はそれぞれ言葉に悩みながら答える。
「いや、確かにね、最後の雪ちゃんなんて、唇も胸もあそこも、全部が無防備状態だったよ!」
「でも、俺達四人を最後まで気持ちよくさせるんだって、あそこまで健気な雪ちゃんの姿を見せられると……」
「なんか、無理強いは出来ないなぁって思って、涼に感じてる雪くんをおとなしく見てた」
「……あっそ」
さすがに、じっくり観察されるのは恥ずかしいのか、涼介が少し頬を染めながら素っ気無く答えた。
「雪乃くんの身体、綺麗にしてやらないと……」
「あっ、俺も手伝うよ」
涼介と春樹が風呂の準備を始めようとすると、リビングの片付けを始めた秀一がボソッと呟く。
「俺達……このまま一緒に暮らせないのかな?」
その呟きは、きっと他のみんなも思っていたことなのだろう。
「…………」
みんなが答えを出せずに黙ってしまうと、タオルを拾い上げた陽愛が言う。
「ここを借りられないか、理事長に頼んでみるか?」
先輩のその発言に、みんなも励まされる。
「そうだよ、山ちゃんと涼介が頼めば何とかなるかもよ!」
「何なら、毎月の我々の給料から家賃引かれても構いませんしね」
「俺、今度、理事長に相談する」
「じゃあ、そのうちタイミングを見て、僕から雪乃くんにも聞いてみるよ。ここで、みんな一緒に暮らさないかって……」
みんながそんな計画を立てているなんて、まったく知らないまま、雪乃は幸せそうに眠りについていたのだった。
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