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第52話 告白編47

「ねぇ、何で俺の部屋に入ってこれたの? 鍵かかってたでしょ?」    身体も綺麗にして、俺も眠りから覚めた後、リビングでみんなでごろごろと寛ぎながら、俺は気になっていた質問をした。  すると、みんなが顔を見合わせて答えを躊躇う。 「なに……俺に隠し事?」    何だか自分だけ仲間外れにされているようで寂しくなる。  すると、俺が落ち込んだことに気づいたみんなは慌てて言い訳をする。 「そういうわけじゃないけど……もし、雪乃くんが知ったら怒るかなぁ……って」 「何? 怒らないよ」    珍しく歯切れの悪い言い方をする涼介にそう言うと、みんなも渋々と口を開く。 「実はね……俺達、雪ちゃんの部屋の鍵、持ってるんです」 「えっ、何で?」    初めて知る事実に俺は驚いて聞き返した。だって、俺、みんなの部屋の鍵なんて持ってない。 「やたらと使うつもりはないよ」 「ただね、もし忙しくて雪ちゃんとゆっくり会えない時とかはさ……寝てる雪ちゃんの顔見れただけでも癒されるっていうか……」 「……もしかして、俺が気づいてなかっただけで、みんな俺の部屋に入ってるの?」    俺が聞くと、四人が揃って頭を下げた。 「ごめんなさい!」    謎がわかってしまったら、俺は怒るどころか呆れてしまった。 「そんなことまでして……俺、部屋に鍵をかけてたことなんて一度もないでしょ?」    すると、みんなが嬉しそうに笑う。 「うん。雪ちゃん、いつも鍵を開けててくれた♪」 「それが、俺達を信頼してくれてるんだって感じられて嬉しかったんだよね」 「この鍵……返しましょうか?」 「雪くんが返せっていうなら、僕達返すよ」    みんなが真剣な表情で聞いてくるものだから、俺は笑いながら答えた。 「別にいいよ、持ってても……まあ、使うことはないだろうけどね」    だって、俺が部屋の鍵を閉める必要なんてないから。  大好きなみんながいるこの家で俺が一人になることなんてない。いつだって、みんながそばにいてくれる。 「あっ、でも、みんなが俺を怒らせたら別だけどね。俺、結構、焼きもち妬くかもしれないから、女子生徒と仲良く喋ってたりしたら……しばらく口きかないかも」 「気をつけます!」    軽い冗談のつもりで言ったのに、四人は真面目に返事をした。  まあ、いいか。それぐらい厳しく言っておけば、四人が俺以外と仲良くすることはないだろうし。  ストーカー事件も、俺達の恋愛も全てが解決した。  後は学園祭の準備に集中して、当日を楽しむだけだ。  学園祭を楽しもうと思うなんて、教師としては駄目かもしれないけど、この四人と一緒にいれば絶対に楽しめる何かがあるってわかるから。  俺はまるで学生にでもなったかのように、学園祭を心待ちにしているのだった。    ~ (告白編)END ~

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