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第14話

―――バタンッ!! 「ああぁああぁっ! 煌騎が小さい男の子泣かしてるぅっ!!」 「―――ふえっ?…ぁ……うぅ!?」 「…………チッ」 突如部屋に乱入してきた金髪の男の子が、ボクたちを見るなり大声で叫んだ。 すると後ろからカラフルな髪の男の人たちがゾロゾロと室内へ入ってきた。 「何だ、随分と遅いと思ったらその子泣かせてたのか煌騎」 「和之ッ、なに呑気なこと言ってんだ! こんなちっこいのをイジメるなんて俺が許さねーぞっ、分かってんのかコルアアァッ!!」 「流星、煩い、暑苦しい。お前のは単なる嫉妬でしょ、ちょっとは落ち着いたら?」 「朔夜! テメこれが落ち着いてられるかよ!!」 一気に騒がしくなった部屋に呆然とする。 そんなボクを余所に彼らはどんどんとヒートアップしていく……。 ふぅっと後頭部に吐息が当たったので振り返ってみれば、ボクを抱く白銀の髪の彼は辟易とした感じで渋い顔をしていた。 その表情を見る限りではどうやらこれが彼らの日常らしい。何だかおかしくなってクスリと笑みが零れた。 笑ってはいけないと思うのに一度笑い出すと止まらなくなる。 いつの間にかその場にいた皆が動きを止めて此方を見ていたのにも気づかず、ボクは拳を口元に当てて笑い声を殺した。

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