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第17話

彼は髪色こそ奇抜だけど、メガネを掛けていて頭も賢そうだし知的な印象を受ける。 単純にメガネがあるからそう思うのかもしれないが、頼れるお兄さんのようだった。 目は少しタレ目で、左目の下には小さな泣き黒子がある。身長が高くて細身で手足も長く、和之さんは文句なしにカッコイイ。 アレ? でも昨夜はメガネなんか掛けてなかったような……と、ふと疑問が浮かぶ。 頭の上でハテナマークが飛び交いそれを凝視していると、和之さんが眼鏡のフレームを少し上げてクスリと笑った。 「あぁ、コレ? 単車に乗る時は眼鏡を外してコンタクトにしているんだ。メットを被る時とか邪魔だからね」 それを聞いてなるほどと納得したところで、今度は右側の奥に座った金髪の男の子が元気よく手を上げる。 「ハイハーイ、俺の名前は()(つき) ()()16才、高1だよ! 虎汰って名前で呼んでね?あと敬語もいらなーいっ♪ 」 名字も可愛らしい男の子、虎汰はまるで女の子のような愛らしい顔でニコリと笑うと、上げた手をそのまま豪快に振ってくれた。 ボクはそれに応えるだけの勇気はなく、ただコクコクと何度も頷いて引き攣った笑みを返す。 だけどそんなのは気にしないのか、虎汰は人懐っこい笑顔をボクに向け続けてくれた。 本当に可愛らしい男の子だ。くせ毛なのか彼の髪はふわふわとしていて少しウェーブが掛かっている。 そういえば此処へ移動する前、ボクが今着ている服は彼の双子の妹が用意してくれたと和之さんから聞いた。 本当は会ってお礼を言いたかったけど、辺りを見回してもそれらしい人はいなかったので、代わりに虎汰こたにお礼を伝える。 そしたらすぐ本人に会えるから、その時にでもお礼を言ってやってと言われた。 そんなやり取りをしていると、虎汰こたの隣に座る赤い髪の男の人が何でか沸々と怒りを顕あらわにする。 「虎汰ぁ! テメェは年功序列って言葉を知らねーのかよっ!! たまには年上を敬え、年上を!!」 そう怒鳴り散らす彼は、やはり子どもの頃に読んだ絵本の赤鬼とよく似ていた。 どうやら先を越された事が気に入らなかったのか、彼はいきなり虎汰こたの胸元を締め上げる。

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