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第30話

鉄晒しの階段をカンカンカンとリズミカルに降りていくと、この倉庫の出入り口だろう大きな扉の前に何故かもう一人の虎汰がいた。 でもその子は可愛らしいヒラヒラのスカートを履いている。どう見ても女物の格好だ。 ―――あ、もしかして虎汰の双子の妹さんなのかな……。 ボクたちの姿を見るなり女の子は腰に手を置き、虎汰に瓜二つな愛らしい頬をぷくっと膨らませてこちらを睨みつけた。 「遅いわよ2人共っ! この()()さまを待たせるなんて100億万年早いのよッ!!」 「はぁっ!? 何言ってんの、別に俺ら待たしてねーし!」 「つか虎子、お前一回家帰ったろ。どーしてまた来た」 女の子相手に虎汰は不機嫌に答え、流星くんはやんわりとした口調だけれどドコか突き放した物の言い方をした。 兄妹である虎汰の対応は何となく分かるけど、どうして流星くんまでそんななんだろう? 「ンギャーッ!? 何で流星がその子抱っこしてんのよっ! 虎汰ッ、あんた男でしょ!! あんたが抱っこしなさいよっ」 二人の言葉を無視してボクの所在を見るなり、大仰に奇声を上げる女の子。……あぁ、ボク何か分かっちゃったかも? 彼女は流星くんのことが好きなんだ。 まぁこれだけ態度があからさまなら、恋愛未経験のボクでも流石に気がつくとは思うけど……でもそれなら流星くんの彼女への対応はなんだろう? 首を傾げていると彼女が近づいてきて、ボクの頬に手を添えてそっと顔を覗き込んだ。 「うん、さっきよりダイブ顔色が良くなってる! (けん)()の点滴が効いたようね、良かった♪」 先ほどの剣幕とは打って変わって穏和な雰囲気になり、女の子はにっこり笑いかけてくれる。その変わりように目を白黒させていると、彼女にプッと吹き出された。 「私は()()! 和之さんから聞いてない? 倉庫の受け入れ体制整えたり、その服も私が用意したものなんだけど……」 「あ、それは聞いてます! あの、ありがとうござぃっ―――…」 「スト―――ップ!!」 突然に言葉を遮られて目をパチクリとする。

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