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第42話

幸いというべきか今日の子たちは一般の方のファン(?)だったらしく、虎子ちゃんの脅しが効いていれば今後は害がないとのこと……。 それに今回の件が上手く噂で広まれば、一般のファン層からはもう接触して来ないだろうと教えてくれた。 ボクはそれに苦笑いしつつ、内心やっぱりあの子たちは虎汰か流星くんのファンだったんだと呑気にも思っていた。 彼らは確かにファンがいてもおかしくない風貌をしている。顔は綺麗すぎる程に整っているし、背も異様に高い。 虎汰なんかは背のことを気にしてるみたいだけど、日本人男性の平均的範囲内だし気にすることはないと思う。 それにみんなとても優しいから、女の子たちが惹かれるのは充分過ぎるほど納得できた。 「―――プッ、」 彼らの良さを分かる人がたくさんいると知って1人納得していると、突然虎子ちゃんが堪えきれずといったように何故か吹き出した。 びっくりしたボクは思わず彼女の方に向き直る。 「ど……どうしたの、虎子ちゃん?」 「チィ、さっきから思ってることが顔に出てるよ?」 「―――ふぇっ!?」 ボクは咄嗟に顔を手で覆い隠す。 すると虎汰も流星くんも大爆笑し出した。 「アハハハッ、やっぱチィは可愛いなぁ♪ 」 「も……かわいすぎる! クッ……クハハハハッ」 「………はぅっ」 一瞬からかわれたのかと思ったがどうやらそうではなく、自分でも気がつかない内にうんうんと頻りに頷いていたらしい。 虎汰に教えられてまたもやボクの顔は真っ赤になってしまった。 「チィは本当にかわいいなぁ♪ 」 流星くんは緩みまくった顔で微笑みながらボクの頭をしきりに撫でてくれる。 でも皆に笑われてちっとも嬉しくなかった。せめてもの抵抗にぷくっと頬を膨らませ、そっぽを向いてみる。 だけど皆の笑いはなかなか鎮まることがなかった。 「でもさ……悪いけどこいつらのこと本気で優しいとか思ってるの、チィだけだよ?」 漸く笑いが収まった頃、虎子ちゃんが目に溜まった涙を拭いながら言う。その言葉にさっきまで笑っていた虎汰も流星くんも、気まずそうにボクから目を反らせた。 「極端な話だけどさ、皆はこいつらが笑う事のできる人間だとは思ってないってゆーか……」 「…………う??」 その曖昧な返答にボクの頭は更に混乱する。 白鷲の皆はとっても優しいのに、どうしてそんな事を言うのか本気で分からなかった。

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