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第85話

時計の短い針が7の数字を指す頃、リビングに朔夜さんが入ってきた。ソファの上で重なるように寝転がっているボクたちに気づくと、彼は短くおはよと声をかけてきてくれる。 だけどボクは気落ちしたまま、煌騎の上から手を振って見送った。ボクたちの今の格好にもあまり関心がないのか、彼はそのまま気にせず食堂へ入っていく。 それから程なくして虎汰や流星くんたちも眠たい目を擦りながら起きてきて、それぞれ朝の挨拶を交わしながら朔夜さんの時と同様に食堂へと入っていった。 暫くして煌騎も小さく伸びをしてから腰を上げ、再びボクの身体を抱っこして食堂へと向かう。 「なんだ、やっぱコッチ来るんじゃねーか。さっき手ぇ振るから今日は朝メシ食わねーのかと思って心配したぞ」 そう言って流星くんはボクの前に来て、おでこに大きな掌を当てて"熱はねーな”と呟き顔を覗き込んできた。 どうやら今朝はボクが昨日よりも大人しかったから、風邪を引いたのではと心配してくれたようだ。なのでボクは慌てて首を横に振った。 「ううん、ボク元気だよ。心配掛けてごめんね?」 「おうっ、気にすんな! チィが元気ならそれでいい。それより早くメシ食おうぜ、俺はもう腹が減って死にそうだぞ」 流星くんはニカッと笑うとボクの頭をクシャクシャ撫で、自分の席に戻っていく。 その横で虎汰も椅子に座ったままにっこりと微笑み、ボクたちに席へ座るよう促してくれた。 「そだっ、煌騎! 今日は俺たちガッコ行くから。色々と根回ししとかねーとだし」 思い出したようにそう話を切り出したのは虎汰だった。隣でそれに同意するように流星くんも頷く。ボクはそれを見てコテンと首を傾げた。

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