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第113話

それに行く先々で怖そうな男の子たちが(たむろ)している所にも遭遇し、そういった道を避けたのも迷った要因の一つかもしれない。 でも彼らは明らかに煌騎のチームの子たちではなかった。蛇の形をしたとても気味の悪いアクセサリーを身に着け、こちらを不躾に見てはニヤニヤと笑うのだ。 白鷲の子たちならそんな事は絶対しない。 確かに初めはボクも彼らに怯えて怖がっていたけど、今は皆が優しい心の持ち主なのだと知っている。 まだ煌騎たち以外の人に対して怯えてしまうボクに、程良い距離で接してくれる彼らがあんな威圧的な態度を取る筈がない。 だからといって、他に尋ねられる人もいないし途方に暮れてしまう。 (ちょっと怖いけど、思い切ってさっきの男の子たちのところまで戻って聞いてみようかな?) ふとそんな考えが頭に浮かぶ。 もしかしたら怖いのは見た目だけで、話してみれば案外いい人たちなのかもしれないと思ったのだ。 流星くんの時だって最初の頃はとっても怖いと思ってしまったんだもん。きっとボクの早とちりに違いない。 呑気にもそう思い直し始めた時、前方から誰か数人がこちらに歩いてくるのが見えた。 男の子ばかり5~6人ほどの集団の先頭には、紫色の髪をしたとても目立つ外見の上級生が一人いて、その彼が周りの男の子たちを従えているような感じだった。 そしてやっぱりというか示し合わせたかのように皆、蛇を模ったアクセサリーを身に着けている。 その光景を茫然と見ていると、紫色の髪をした上級生と目が合ってしまった。動揺したボクは咄嗟にその場から逃げようと来た道を引き返す。 しかし後ろからも先ほど遭遇した男の子たちがぞろぞろとやってきて、あっという間に前後を挟まれてしまった。 「……あぅっ……えと、あの………」 どちらも廊下いっぱいにまで広がって道を塞ぎ、意図的にボクが通るのを阻んでいるみたいだ。 緊張で呼吸が上手く出来なくなり、無意識の内にボクは壁際へ背中を寄せた。 「あれあれ~、もしかしておチビちゃんは具合が悪いのかなぁ? だとしたら介抱してあげないとだねぇ♪」 よろけるボクに紫色の髪をした男が心配しているかのように装って近寄り、その実その顔は下卑た笑みを浮かべる。 すると周りの男の子たちもニヤニヤと笑い始め、ボクを追い詰めるようにジリジリと距離を縮めてきた。 「……やっ……ゃだ、こっち来なぃ…で……ッ」

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