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第157話

「―――ちょっ……どうしたんだ、一体何が…って、うわっ!? ウソ……だろ………」 あまりの騒音に隣で大事な話をしていたハズの和之さんが、何故か一番に駆けつける。そしてやっぱりというかキッチンの惨劇を見て絶句した。 後に続いて入ってきた虎汰や流星くんたちも、口々にあちゃ~とか呟きながら引き攣った笑みを零す。 最後にゆっくりと室内へ入ってきた煌騎は音でこの事態をある程度は予測していたのか、腕を組んで壁に寄りかかりながら少し困った表情で静かにこちらを見ていた。 「かっ……和之ッ、丁度いいところにっ! "あいつ”が現れたんだよっ、た…助けてくれ~ッ!!」 みんなの驚いた様子など視界にない健吾さんは、直ぐさまキッチンの主である和之さんに助けを求める。でも彼はショックのあまり放心したまま動かない。 すると後ろから虎子ちゃんがニョキッと顔を出し、キョロキョロ辺りを見回してからまた後ろに引っ込んだ。 けれどもまたしばらくすると戻ってきて、虎汰たちの間を掻き分けて前へと進み出る。 そのまま彼女は一気に黒い物体まで近づくと、手に丸めて持っていた新聞紙を勢い良く振り上げ、バシンッと見事にソレを叩き潰したのだった。 すべては早業、途端に周りから歓声が湧き上がる。中には拍手まで贈る者までいた。 「オーッ、流石は虎子さま! やるねぇ~♪」 「やっぱ女子はこういう時ホンット頼りになるな!」 「―――うっさいッ! こんなことで頼りにされても全ッ然嬉しくないわよ!!」 虎汰と流星くんの賛辞に振り返った虎子ちゃんは不貞腐れたように答える。だけどよく見れば彼女の頬は赤みを差し、テレているだけのようにも見えた。 とりあえずは一件落着……なのか…な……?

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