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第227話

嘗ては日常的に受けていたハズの暴力……。 煌騎たちに拾われてからは縁遠くなっていたからか、前に受けていたものに比べたら全然軽い衝撃なのにどうしてか前よりも辛く感じる。 「言葉遣いには気をつけようねおチビちゃん、俺はもうキミの新しい『()()()』だよ?」 「……は…ぃ、ごめんなさい、ボクの『飼い主』さん」 「くくくっ、いい子だね。お利口さんにはご褒美をあげないといけないな。ん~、何にしようか」 ペットは常に飼い主に従順でいなければいけない。そう思いボクは怯えながらも素直に従う。 すると亜也斗は上機嫌で少し思案する素振りを見せ、だけどその顔は既に何をするか決めている時などに見るソレだった。 痛い事をされると分かってるから、ボクの身体は余計にガクガクと震える。 「うんっ、やっぱりおチビちゃんは床を這いずり回ってる姿のほうが似合ってるから、手足を切断してダルマさんにしてあげよう♪」 「……ダルマ…さん? ……うぅぅ……うぇぇぇんっ」 その言葉を聞いて、ボクは遂に堪り兼ねて泣き出してしまった。手足がなくなったら今度こそもう逃げられなくなる。 それは覚悟していたつもりだったけど、いざ現実を前にすると哀しくなった。本当にもう煌騎とは会えなくなるのだ。僅かな希望(のぞみ)もなくなる……。 「あのっ、でも常磐さん……それだと吉良さんがおっしゃってたこッ―――がはぁっ!?」 ―――ガッ!! ズダアァンッ!!! 見兼ねた近藤さんが躊躇いがちにだけど彼に意見しようとした。多分ボクの為というより吉良さんの為だったのだろう。部屋を出て行く時に彼と何か話していたから……。 けれど亜也斗はすべてを言い終わる前に彼を殴り飛ばしていた。その衝撃で大きな身体が瞬時に吹き飛び、左側の壁へ鈍い音を立てて衝突する。 「俺が今までに一度でもあいつの言う事に従ったことがあるかよ、あ"ぁッ!? 寝ボケたコト抜かしてんじゃねーぞコルアアァァァッ!!」 「すみませんっ、すみませんっ、調子コキました! 生意気に口出してホンットすみませんッした!!」 物凄い勢いで土下座しながら謝る近藤さんに、それでも腹の虫が収まらないのか亜也斗は上から容赦なく彼を蹴りつけた。 額を切ったのかこめかみのところから大量に血が流れていて、彼はそこを庇うように右手で押さえている。

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