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第242話〜MONSTERS降臨!〜
ようやくことのすべてが終わって、ボクが解放されたのは幾許か過ぎた頃だった……。
身体を酷使したためか、未だに至るところの痙攣が止まらない。ピクピクと肩や脚などを震わせながら、無言でベッドを降りていく吉良さんの背中をぼんやりと見送った。
先ほどまでは狂おしいまでに身体を求められていたのに、薬が切れたからかいまは素っ気ない。やはり性欲が満たされればボクなど用済みなのかなと、どこか寂しい気持ちが込み上げた。
ボクは彼に何を求めていたのだろう……。
優しくして貰って、怖い亜也斗から幾度も助けて貰った。もうそれだけで十分なハズなのに、何故だか裏切られたような気がして胸が苦しくなる。
初めからボクなんかに『友だち』など作れるハズもなかったのに……。
それでも未練がましく彼の背中を追っていると、吉良さんは1度もこちらを見ることなく部屋を出ていってしまった。
代わりに亜也斗が上機嫌でこちらに近づいてきて、ボクの顔を覗き込む。
「なに、熱烈に目線で追いかけてるけど身体重ねたらもう吉良のこと好きになっちゃったの?」
「違っ……ボク…は……ただッ―――…」
―――パシィィッ!!
「違わない、それに口答えはするなって言ったろ? でも残念だったね、あいつは俺のものだから。生まれた時から吉良の血も肉も骨もすべて俺のために使われる宿命なんだよ。だからあげない、あははは♪」
―――パシィィッ!! パシィィッ!!
亜也斗はボクの頬を平手打ちしながら大声で笑った。ごめんなさいごめんなさいと何度も謝るけれど、許しては貰えず次第に意識が朦朧としてくる。
でも気を失うことも許されなくて、ボクは繰り返し頬を亜也斗に叩かれた。
「あの…常磐さん、次の撮影なんですが……」
馬乗りになって叩かれていると、横から近藤さんが恐る恐る声を掛けてくる。
さっき死ぬほど殴られて彼を恐れているのか、その声は小さめだったが仕事は手が抜けないので仕方なく声を掛けたようだった。
「あ"あ"? なにっ、何のよう?」
「すみません! あのっ、次のサイトは常磐さん専用の会員パスワードじゃないと入れなくてっ」
怯えながらもそう言うと亜也斗の手がピタリと止まる。一応は納得したようでボクから離れると、彼は近藤さんに渋々ついていった。
どうやらまだこの撮影は続くらしいことを悟ったボクは、もう動くこともできずその場で胎児のように身体を丸める。
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