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第290話

俺の部屋で夕食を食べ終えたあと、チィは暫く皆と団らんを楽しんでいたが倉庫内で仲間同士小競り合いが発生したようで虎汰と流星、それに朔夜も仲裁に行ってしまう。 最初は俺が行こうとしていたのだがチィが音に怯え、情緒不安定になってしまったため3人に任せたのだ。 それから何とか落ち着かせようと彼を膝の上に座らせ、優しく抱き締めるとゆらゆら身体を揺らす。 今のところコレが1番効き目があるようで、暫くすればチィは瞼をトロンとさせて俺の胸元に顔を擦り寄せてきた。 その甘えた様子に安堵して頭を撫でてやれば、顔を見上げてニッコリと微笑む。 「ボク和之さんの抱っこ好き、スゴく落ち着くの」 「ふふ、それは良かった。でもお風呂入らなきゃいけないし、歯磨きもまだだからこのまま寝ちゃダメだよ?」 今にも眠ってしまいそうな雰囲気のチィにクスリと笑えば、彼はムクリと頭を起こしてキョロキョロと辺りを伺う。 恐らくバスルームを探しているのだろう。 幹部室には各自バストイレが設置されているので、当然この部屋にもあるにはあるのだが2階のよりは随分と狭い。 なのでいつもなら俺たちは交代で上のを利用するのだが、チィは今2階に上がることができないため今日はここのを使って貰うしかなさそうだ。 そういえば彼はひとりで入浴できるのだろうか? ふとそんな疑問が浮かび尋ねると、チィはこてんと首を傾げて分からないと答えた。 「んー、なら俺と一緒に入る? チィひとりでお風呂に入れるのは流石に俺も不安だし」 「うんっ、ボク和之さんと一緒がいい!」 俺の提案に彼は嬉しそうに頷く。 そのあまりに可愛らしい表情をこちらに向けられ、俺は少し早まったかなと思ったがなるべく邪心は捨てる。 中は本当に狭いのでチィに室内で衣服を脱がせ、自分もさっさと脱ぐと2人してバスルームに入った。 先ずは鏡の前で歯を磨かせ、それが終わったら浴室に入れシャワーを浴びさせる。お湯を嫌うかと心配したがチィはキャッキャとはしゃいでくれたので、ホッと胸を撫で下ろし頭を洗ってあげた。 シャンプーが目に入らないよう気をつけながら、ついついチィの身体を眺めてしまう。その姿は後ろから見ると華奢で本当に女の子のようだ。 濡れた髪は彼の身体にピタリと張り付き、俺の目にはとても煽情的に映る。

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