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第295話

懸命に応えようとするチィに何度も唇を重ね、滑りを帯びた右手をそっとその両脚の間に滑り込ませた。 そして先ほどまで解していた後孔にまた中指を添え、慎重に中へと埋め込んでいく。温かいそこは容易く根元まで飲み込みキュウキュウと締め付けた。 この分なら直に俺のを受け入れられるだろう。 すぐに2本目を添えて挿入し、グチュグチュと中を掻き回した。その度にチィの口からは甘い息が漏れ、縋るような眼差しで俺を仰ぎ見る。 やめて欲しそうな、でもどうしたらいいのか分からないように揺れる瞳に先へ進んでいいか躊躇うが、もうここまできたら俺も止まれない。 少し強引かと思ったが倒した上体をおこし、兆しを見せながらも未だ完勃ちではないチィのものに空いた手を伸ばし、やわやわと揉み込んでは上下に扱いた。 「チィのここ、可愛いね。食べてしまいたくなるよ」 「あっ、ダメッ……和之さっ……ボクの食べちゃ…あん……ダメ、なのっ……にぃ」 慌てて止める彼の言葉も聞かず俺は頭を下げると、小ぶりの()()を躊躇いなく口に含む。ジュブジュブとわざと音を立ててしゃぶり、口を離しては裏筋に舌を這わせ竿にチュッとキスをした。 同じ男のものなのに、チィのものだと思うだけでこんなにも愛おしい。先端に尖らせた舌を這わせてグリグリとすれば、ぷっくりと苦い味のする先走りが滲み出た。 その間も後孔に埋め込んだ指を3本に増やし、中を解すことを忘れない。あれほどキツかったそこは徐々に解れ、今では淫らに俺の指を根元まで受け入れ激しく出し入れしても傷つくことはなかった。 「もういいかな、チィ挿れるよ?」 再び身体を起こすとまたチィに覆い被さり、顔をキスできそうになる位置まで近づけて尋ねる。息の上がった彼ははふはふと短い呼吸を繰り返しながら、瞳はまだ迷っているのにコクコクと頷いた。 でも迷って当然だ。今の彼にとってこれが初めての行為なのだから……。 チィの中で俺が初めての男になる。それが何より嬉しくて、彼の気持ちを置いてきぼりにして頭上にあったクッションを腰の辺りに敷き、腰の位置を高くして両膝の裏に手を伸ばし持ち上げた。 「チィ、キミを心から愛してる。だから、俺のものになってくれるね?」 「……はい、ボク和之さんのものになります」 そう答えた彼は、けれどその瞳から大粒の涙がポロポロと零れ落ちる。そこで漸く俺は正気に戻ったのだった。

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